健康 健康応援ひろば 32

■災害時のお口の健康を守るために
地震や降雪といった自然災害により、自宅を離れ避難生活を余儀なくされることがあります。被災により、直接的な健康被害を免れたとしても、避難生活の中で体調を崩すことがあり、肺炎などにより「災害関連死」として死に至ることもあります。物資が限られた避難生活の中でも、お口の健康を守ることにより、重篤な健康被害の危険度を下げることは可能です。家族とも相談をして、災害時に備え、お口の健康を守る準備をしておきましょう。

◇こまめに水分を摂取しましょう
飲料水の入手が困難な中、トイレでの排泄を我慢するために、さらに飲水を控えてしまうと、唾液の分泌が悪くなり、お口の中が乾燥し、細菌の温床となります。唾液にはお口の中の自浄作用があります。お口をこまめに湿らせ、唾液の分泌も維持できるようにしましょう。

◇入れ歯は持ち出せるように管理しましょう
入れ歯は、食物を噛み砕くだけではなく、のみ込む時にも役立ちます。食後に洗浄してお口に戻しておくと、置き忘れが減ります。限られた食事提供の中でも、しっかり噛んで栄養を摂取し、免疫力が維持できるようにしましょう。

◇口腔ケア物品を非常持ち出し袋に加えましょう
歯ブラシや粘膜ブラシは、洗浄したとしても共有して使用することができません。また、歯磨き粉は洗い流すための水を必要とするので、液体歯磨きや洗口液の準備があると、効果的にお口の中を清潔にすることができます。歯ブラシが準備できない場合も、うがいや拭き取る方法など工夫してお口の中がきれいにできるようにしましょう。うがい水は細菌や汚れを含んでいるため、うがい後にのみ込むことは避けましょう。

問合せ:市立甲府病院
【電話】055-244-1111