- 発行日 :
- 自治体名 : 山梨県上野原市
- 広報紙名 : 広報うえのはら 2025年5月号
◆今月のテーマ たばことCOPD(慢性閉塞性肺疾患)
◇5月31日は『世界禁煙デー』です
平成元年にWHO(世界保健機関)は、毎年5月31日を『世界禁煙デー』と定めました。これを受けて厚生労働省は、平成4年から世界禁煙デーに始まる5月31日から6月6日までの1週間を『禁煙週間』と定めています。
たばこの煙には多くの有害物質が含まれており、悪性腫瘍(がんなど)や生活習慣病を発症させる大きなリスクとなります。
◇喫煙の状況
山梨県の県民健康づくり実践状況調査(令和4年)によると、成人の喫煙率は15.4%で、年々減少してきています。年代別でみると、働き世代の40歳代、50歳代の喫煙率が高く、2割を超えています。たばこを吸っている人のうち、45.0%は「やめたい」と回答しています。一方で、たばこを「やめたいと思わない」と回答した人の理由としては「ストレスが多いから」が30.8%で最も多く、次いで「今吸っている量であれば害がないと思っているから」が23.1%という結果でした。
このような調査結果をみると、たばこは健康に影響があるとわかりつつも、喫煙がストレス解消法のひとつになっていたり、量が少なければ健康に影響が少ないと考えている人がいることがわかります。
また、同調査によると、喫煙者がたばこを吸う際に周囲に対して気をつけていることは、「喫煙スペース(決められた場所)で必ず吸う」が78.3%で最も多く、次いで「子どもや妊婦の周りでは吸わない」が61.7%、「路上では吸わない(歩きたばこはしない)」が51.7%でした。周りに配慮する喫煙マナーを実践している人が多い点は良いことですね。
◇たばこを原因とする肺の病気『COPD』とは
COPD(慢性閉塞性肺疾患)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。上野原市健康増進計画で実施された健康実態調査の結果によると、平成30年調査時に「知っている」と回答した人は13.3%でしたが、令和5年調査時には53.8%となり、徐々に認知されてきていることがわかります。COPDとは、chronic obstructive pulmonary diseaseの頭文字をとったもので、従来は慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。たばこの煙などに含まれる有害物質を長年吸い込むことで、肺に慢性的な炎症が起こり、呼吸機能が低下していく病気です。喫煙は、COPDのリスクの9割を占めるとされており、いわば喫煙習慣を持つ中高年層に発症する生活習慣病です。
◇COPDの主な症状
・歩行時や階段の上り下りなど、少しの動作で息切れがする
・咳(せき)や痰(たん)が続く
・呼吸をするときに「ゼイゼイ」、「ヒューヒュー」と音がする
COPDになると、上記のような症状が現れますが、「咳や痰が出るのは風邪のせい」、「息切れをするようになったのは年のせい、運動不足のせい」と考え、COPDを見過ごしてしまうこともあります。COPDを治療せずに放置すると重症化し、息切れのために日常生活に支障をきたすことになります。 気になる症状がある人は、かかりつけ医や呼吸器科の受診をお勧めします。
問い合わせ:子育て保健課
【電話】62-4134