くらし キラリ★中野のチカラ No.132

地域の未来を照らすみなさんを紹介します。

■子どもの頃の自分に夢は叶うって伝えたい
お笑い芸人 久保瑞希
くぼ・みずき 中野市中町出身、東京都在住。長野県短期大学卒業後に上京し、番組制作会社に就職。
平日は会社員、週末はお笑い芸人「久保プレミアム」としてライブに出演。事務所所属を目指し、精力的に活動している。

「お笑い芸人になる夢は小学三年生の時から。人を笑わせることが好きで、カメラを向けられると変顔してました。」
男子と一緒に遊んではよく先生に怒られていたと笑う久保さん。大のテレビっ子で『エンタの神様』や『バカ殿』を見ては画面に映るお笑い芸人に憧れた。
しかし、進学するにつれ、夢に対して「自分には無理かも」と思うように。普通に就職を、と選んだのは東京の番組制作会社。待っていたのは想像以上に厳しい世界だった。
「短い期限と厳密なスケジュール。心も体も擦り減って限界を感じた時、あの頃の夢を思い出したんです。やらないで後悔よりやって後悔。挑戦しようと決めました。」
平日は仕事、週末は養成所に通う日々。講師にネタを見せたり、台本を渡されて演技をしたり、時にはダンスの授業も。仕事と両立しながら学び続けた1年間。卒業審査の直前、相方に告げられたのはコンビの解散だった。
「とにかくショックで、このまま辞めようと思いました。でもやるしかない。今までやってきたことを無駄にするわけにはいかない。」
2週間後の卒業審査は、これまで一度もやったことのないピン芸人として挑んだ。「久保プレミアム」誕生の瞬間だ。
「響きの良さで決めました。お菓子の名前にプレミアムって付いているとちょっと惹かれますよね。そんな存在になれたらいいなって理由を後付けしました。」
ADとして働きながら、多いときは月に6、7回のライブに出演している久保さん。ウケなかった時はきちんと反省しつつも「まぁいっか」で切り替えるという。
「意識して夢を思い出して、あの頃の自分に会いに行くようにしています。やっぱり人を笑わせるのが好き。昔から変わらない、私がお笑い芸人を目指す理由です。」