- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県東御市
- 広報紙名 : 市報とうみ 2025年12月号
■特集 地区公民館を訪ねて
◇祢津地区公民館
・賑わった祢津ふれあい文化祭
10月4日に、祢津公民館で行われた「祢津ふれあい文化祭」は会場が満席になるほどの賑わいを見せました。内容は「ステージ発表」と「作品展」、また、子ども達お楽しみの「チャレンジ広場」です。作品は翌日まで展示しました。
恒例となっている、祢津小学校子ども歌舞伎の今年の演目は「忠臣蔵」でした。長く難しいセリフもしっかりと頭に入っており、一人ひとりが堂々と演じる姿に、観客から歓声とおひねりが飛び交いました。また、3年生は、「祢津たんけん」の学習成果を、観客に向けた質問・回答方式で発表してくれました。大人との掛け合いや、子どもたちの学びの深さに皆感心していました。
その他、観客と一緒に盛り上がったバランスボールの皆さんによる発表や、オカリナの演奏、素晴らしい歌の他、絵画や工芸など日頃研鑽を積まれた成果が展示されました。そして、ステージ発表の最後は「祢津小唄」と「ふるさと」を会場の全員で合唱し、素敵な文化祭となりました。
◇田中地区公民館
・田中地区ふるさと散策~秋の海野宿を巡る~
田中地区では毎年、各分館が順番で郷土の歴史などを学ぶことを目的に「ふるさと散策」を開催しています。今年の当番分館は本海野で、海野宿がちょうど開宿400年を迎えることから、この海野宿を巡るふるさと散策が企画され、10月11日に行われました。
当日は、参加者がグループに分かれて講師を務めた海野宿保存会の方々の説明を聞きながら、白鳥神社、海野宿資料館、なつかしの玩具館、7月9日にリニューアルオープンした「うんのわ」などを巡りました。
はるか400年の昔、この地に宿場が開かれた当時の人々の営みに思いをはせると、同じ地で今の時代に生きる我々に脈々と引き継がれる歴史の重みに対し、身の引き締まる思いと、遠い祖先に対する淡い感情を抱きます。参加された皆さんは、それぞれの学びと新たな発見を手にして大変満足そうな表情をされていました。
来年は常田区を巡ります。ぜひ、郷土の温もりに触れていただき、ご参加をお待ちしています。
■講座紹介
◇大人気!夏休み子ども講座
東御市の夏休み子ども講座には他にはあまり類を見ない特徴があります。それは、市内5つの小学校に講師と公民館職員が出向いて講座を行う形をとっていることです。題して「小学校出前講座!」です。
平日の昼間に中央公民館で行われる夏休みの講座は、交通手段のない子どもたちにとっては参加したくてもできないという実情がありました。これを解決するために館長が思いついた方式が「出前講座」です。自分の小学校が会場なら子どもたちは歩いて参加することができます。今年も100名を超える参加がありました会場と講座内容は次のとおりです。
田中小学校「風力発電機を作ろう」
滋野小学校「ステンドグラスを作ろう」
祢津小学校「楽しい理科実験」
和小学校「電気自動車を作ろう」
北御牧小学校「ネオンが光る!オリジナルキーホルダーを作って科学を体験」
■おらほのお宝発見 第10回
◇「遺跡と遺産」
元文書館専門員 堀田雄二
これまで東御市の文化財について、数回にわたり様々紹介してきましたが、今回は、遺跡と遺産を中心にまとめてみたいと思います。
遺跡とは、先人達が大地に刻んだ活動の跡を言います。土器や石器などの遺物・竪穴住居址や古墳等の遺構を含む遺跡は、市内各地に多く残され、重要な遺跡は国史跡の「戌立石器時代住居跡(原口)」・県史跡の「中曽根親王塚古墳(曽根)」・市史跡の「塚穴古墳(片羽)」をはじめとする多くの古墳を中心に、中世の山城跡等があります。「久保在家遺跡(新張と原口の中間)の縄文土器・土偶」や「地獄沢古墳(日向が丘)の杏葉・馬具等」があり、未指定の文化財も数多く残されています。
これに対して「日本遺産」や「世界遺産」等の遺産というものがあります。「日本遺産」とは、地域の歴史的魅力や特徴を語るストーリーを文化庁が認定すものです。「世界遺産」は、ユネスコが「世界遺産リスト」に記載された顕著な普遍的価値を持つ建造物や遺跡、景観、自然のことです。残念ながら東御市にはありませんが、「日本遺産」では、上田市の「レイラインがつなぐ『太陽と大地の聖地」~龍と生きるまち信州上田・塩田平~」と、長和町と周辺の遺跡を含む「星降る中部高地の縄文遺跡―数千年を遡る黒曜石鉱山と縄文人に出会う旅―」があります。上田市には、古代から中世にかけての多くの文化財が集中しています。東側の信濃国分寺(奈良時代~室町時代)から生島足島神社、西側の安楽寺に至る点在する文化財を結ぶレイライン(太陽の道)と、龍神信仰、別所温泉、国宝・重要文化財級の建造物などが一体となったストーリーです。加えて、塩田平に数多く築造されたため池と、それに伴う行事が追加登録されています。一方後者は、長和町や下諏訪町などで確認された旧石器時代から縄文時代にかけて広く利用された黒曜石を星ととらえ、ふもとのムラで作られたヒトや森に生きる動物などを描いた土器や土偶には高い芸術性が認められます。黒曜石や山の幸に恵まれて繁栄した縄文人の集落跡が、中部高地には数多く確認されています。
(3月号に続く・次回は歴史編の最終回になります)
■お知らせ
◇生涯学習作品発表会
生涯学習講座の受講生や社会教育団体で活動する皆さんが一年の学習の成果を発表します。発表団体・内容は追って市公式LINE等でお知らせします。
日時:
令和8年2月21日(土)午前9時~午後4時
令和8年2月22日(日)午前9時~午後3時
場所:中央公民館
◇令和8年度 生涯学習講座受講生募集
公民館での学習を通じて生活を豊かに、また、新たな仲間づくりをしてみませんか?
開講期間:令和8年5月~令和9年2月
申込期間:令和8年2月24日(火)~3月6日(金)
その他:募集する講座の一覧は、市報2月号に同封するリーフレットをご覧ください。
問合せ:地域づくり支援課 地域コミュニティ推進係
【電話】75-5506
編集:地域づくり支援課 地域コミュニティ推進係
【電話】75-5506
