- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県東御市
- 広報紙名 : 市報とうみ 2025年6月号
~子どもの探究的な学びを支える~
北御牧中学校 教頭 木内 康一
みなさん、子どもと共に探究的な学びをしてみませんか。
「探究的な学び」とは、自ら課題や問題を見いだし、その解決を目指して、「仲間と協働しながら新たな価値を創造したり、一人一人が自分の「好きなこと」「楽しいこと」「なぜと思うこと」に浸り追究したりする学びです。この「探究的な学び」は、特別な学びのように感じますが、子どもたちは日ごろから探究心をもって学ぼうとしています。つまり、学校でも家庭でも学びを支えるチャンスがあるということです。
以前勤務した小学校でのことです。休み時間に女の子たちが、シロツメクサの葉を大事そうに持ってきました。よく見ると葉には小さな白いものがついていました。「おそらく何かの卵だろう」「3年生で育てたモンシロチョウの卵に似ているぞ」と、感じたのでしょう。学ぶことでさらに興味・関心が豊かになります。おそらくモンキチョウの卵であることを伝えると、「育ててみたい!」となりました。私も自分で実際に確かめたことはありません。子どもたちと共に探究の活動が始まりました。幼虫やさなぎはモンシロチョウのそれによく似ていました。そして、日々のお世話の甲斐あって無事羽化しました。「やっぱり、モンキチョウだった!」子どもたちの探究は、図鑑やインターネットでは得られない貴重な体験になりました。
シロツメクサについていた白いものに対して、私は蝶に関心があったので「モンキチョウの卵」だとわかりましたが、「知らない」「気持ち悪い」と、子どもの興味・関心に応えていなかったとしたら、探究につながらなかったことでしょう。
私たち大人が興味や関心のある事を常に学び続けていくことは、子どもの探究的な学びを支えていくことにつながっていくと思いました。ぜひ、子どもたちの興味・関心を大切にしながら、私たち大人も一緒に探究的な学びを楽しめるといいですね。