- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県原村
- 広報紙名 : 広報はら 2025年10月号
今回ご紹介するのは、国史跡・阿久遺跡の発掘調査です。1975(昭和50)年の「第1次発掘調査」から、ちょうど半世紀となる今年(2025年)。現在では中央自動車道が通るあの場所で、50年前の10月28日、阿久遺跡の発掘調査が始まりました。
■未来の“国史跡”の発見
阿久が遺跡として認識されたのは、1971(昭和46)年のこと。分布調査で縄文土器の破片が採集され、初めて正式に遺跡として確認されました(当時は大部分が山林だったため、遺跡の範囲は南斜面の開かれた畑地だけの狭い範囲であり、遺跡の名前も「塩水遺跡」と呼ばれていました)。
昭和50年代には中央自動車道の建設によって本格的な発掘調査が行われ、様々な大発見と保存運動を経て、1979(昭和54)年7月2日、ついに国史跡に指定される阿久遺跡ですが、そこへ至る道のりは簡単なものではなかったことは、当時の記録からも想像に難くありません。
■冬に阻まれた最初の調査
第1次調査が始まった10月は、折しも厳寒期目前。先に始まっていた大石遺跡(現在の中央道原PA(下り)あたり)の調査が終わらず、そちらの完了を優先するため、この年の阿久の調査は「範囲確認のための調査に限定し、本格調査は次年度へ繰越す」こととなりました(凍結による破壊を防ぐため、通常冬季の発掘調査は行いません)。足下に縄文前期の大遺跡が眠っていることなど誰も知らないまま、発掘は第2次調査へと持ち越されます。
■今年も開催!“阿久の森で深呼吸”!
そんな阿久遺跡で、令和3年から始まったイベント「阿久の森で深呼吸」(※開始時は「縄文の深呼吸」)。今年も盛りだくさんの内容でお待ちしておりますので、ぜひお越しください。
役場1階ロビーにも村内出土品を展示しておりますので、お越しの際はご覧ください。
問合せ:生涯学習課 文化財係
【電話】79-7930(直通)