- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県高森町
- 広報紙名 : 広報高森「あったかもり」 令和7年11月号
■競技に関心持つきっかけに
カヌー 矢澤 亜季 選手
地元の天竜川で国スポのカヌー(スラローム・ワイルドウォーター)競技の開催が決まってうれしく、楽しみにしています。
天竜川は「暴れ天竜」と呼ばれるくらい激流の川。小さいころは、開催予定地の100メートルほど上流にある万年橋のあたりで、父の指導で練習していました。私が取り組んでいるスラロームは、川を下るだけでなく漕ぎ上がる練習が必要。その練習をするのにとても良く、競技するのに難易度のある川です。
競技を始めたのは、父の影響で兄(矢澤一輝選手)が先にカヌーを始め、一緒に練習に連れて行ってもらったのがきっかけです。
最初はプールや池で水に触れる楽しさをつかんで、そこから天竜川で川下りをしたり、ラフティングで協力し合って漕いだり、フリースタイルもやったりして、カヌーをするにはいい環境でした。
海外ではカヌーの人工コースがあり、激流の中で競技することができるようになっています。普通なら怖さを感じますが、天竜川での練習で激流に慣れていたせいか、楽しんで競技することができました。
兄はいま、自分自身も競技に取り組みながら、青森県西目屋村で地域の子どもたちを指導したり、選手の育成をして、カヌーの普及活動をしています。この地域はカヌーが盛んで大会のための会場が整備され、ジャパンカップが開催されています。
高森町で行われる国スポもそれで終わることなく、国スポをきっかけに競技に関心を持ったり、カヌーを始めたりする人が増えてくれたら。そのために、地元のカヌークラブや県などと協力して、カヌーをする人たちを育てていきたいと思っています。
国スポには、長野県代表として出場する予定です。地元で開催される大会なので、いい形で大会を迎え、盛り上げていきたいです。そして、応援してくださる方々への感謝を込めてパフォーマンスをしたいです。
◇プロフィール
飯田市出身。父と兄の影響でカヌー競技を始める。中学2年で日本ジュニア選手権優勝、同3年で世界ジュニア選手権出場。高校3年で全日本選手権優勝。日本女子カヤックで初めて、2018年のアジア大会優勝、2020年のワールドカップ7位入賞を果たす。リオデジャネイロ(2016年)、東京(2021年)、パリ(2024年)の各オリンピック出場。
○たかもりカヌークラブ 地元で審判の養成を
会長 松﨑 愉(さとし)
たかもりカヌークラブは、高森町の事業としてカヌーの講習会が行われたのをきっかけに、その後もカヌーを続けたい人たちが集まって1988(昭和63)年に創設されました。
私は同じ年に町へ引っ越してきた時、誘ってもらって入会したので、最初のころからのメンバーになります。町内だけでなく飯田や岐阜の方も参加していて、遠山川や阿智川で川下りをすることもあります。
毎年、天竜川のごみ拾いをしていて、天竜川上流河川事務所から表彰を受けたこともあります。河川事務所など公(おおやけ)の皆さんには、利用のための整備をしていただいて、協力してもらっています。
今年で51回目を迎えた全日本天竜川カヌー競技大会は、もともと飯田市で始まったものですが、30回目くらいから高森町で行われるようになり、町とクラブが協力して開催しています。
矢澤亜季さんのお父さんとは、カヌーの普及活動の関係で昔から親しく、娘が亜季さんと同い年だったこともあり、ずっとお付き合いさせてもらってきました。亜季さんがカヌーを始めたころ、みんなで漕いだりスラロームをやったりして楽しみました。
高森で行われる国スポに向けて10月、滋賀で行われた国スポに見学に行った時は兄の一輝さんに会って、頑張っている姿を見ることができました。
2028年の国スポに向けては、審判員の養成が必要だと感じています。スラロームでは、選手がポールとポールの間をくぐって漕いでいきますが、それがちゃんとできているか複数人で確認しないといけない。地元で審判の資格を持った人を育てないといけません。
カヌーができなくても構いません。北信越大会などに参加して体験してもらったり、プールで練習したりして経験を積んで、審判として国スポを一緒に盛り上げてもらいたいです。
○国スポカヌー
高森町では、ワイルドウォーターとスラロームの2種目を行う予定で、天竜川に特設のコースを設置して開催します。
ワイルドウォーターは流れの激しい川を1500メートル一気に漕ぎ下る競技。遠くに見えた選手があっという間に漕ぎ下っていくスピード感が魅力です。
スラロームは変化に富んだ流れのある川で行う競技で、空中から吊るされたポールで設定されたゲートを通過し、そのスピードを競います。激流の中、自由自在に艇を操る技術は必見です。
◆ 広報アンケート 合言葉 「国スポ」(※詳しくは次ページをご確認ください)
