くらし 「村長室から」令和7年No.2
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- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県栄村
- 広報紙名 : 広報さかえ 令和7年10月号
栄村長 宮川幹雄
令和7年は、昭和100年という、私ども昭和を知る世代にとっては一つの節目です。これまでの時代に思いを寄せると、その歴史の大きな変化に緊張感の様なものを覚えるところであります。
さて、7月に入ってからはほとんど雨が降らず、猛烈な暑さが続き、まさに異常気象を肌で感じる夏となりました。また、カムチャッカ地方で起きた巨大地震による津波は、東日本大震災の悪夢を思い出させ、緊張が走りました。このほかにも、北海道の地震、九州地方の群発地震、南海トラフ地震の発生確率の上昇、米国の関税問題に端を発する世界経済の混迷、戦争の長期化など、同時多発的な危機の到来に不安がよぎります。このような状況の中、都市から離れた栄村のような農村が、安心安全、そして穏やかな暮らしを維持し、少数でも定住できる社会を形成していくことが極めて重要だと考えております。それは同時に、この地域で暮らす私どもの自信につながります。
こうした思いを胸に、6月中旬以降、道路、砂防、河川等に関する期成同盟会の総会等と合わせて、国県関係機関と懇談して要望活動に努めてきました。8月には、千曲川緊急治水対策プロジェクト箕作月岡堤防工事、百合居橋かけ替え工事の推進、国道405号の改良促進、鳥甲線の県代行事業採択等々について、宮本県議会議員にも同行いただき、県建設部長と懇談し、要請をしてきました。
それから、7月中旬に、県警察当局から駐在所に関する計画の説明がありました。現在、村に2か所ある駐在所について、森にある堺駐在所を建て替え、警察官を常時2名配置することで、駐在所に警察官が不在になる事態をなくすという計画です。平滝の駐在所は宿舎として活用するとのことで、令和8年度以降に計画が具体化されていくということであります。
また7月末には、日本郵便信越支社から、野田沢郵便局の施設老朽化等々から、業務を停止したいとの話があり、村としては賛成できかねますが、ご説明をお聞きしたところであります。
長野県のガソリン価格については、報道等でご存じのことと思いますが、6月以降、県主催の「ガソリン価格の適正化等に関する検討会」が3回開催されました。その中で、秋山地区のような中山間地の給油所をいかに継続、維持していくかという点も議論されてきたところでありますが、会議の中で阿部県知事から具体的な支援の方向性も示されましたので、給油所の継続に向けて取り組みを進めたいと考えています。
それから、北信広域連合の特別養護老人ホーム特別会計の財政状況が大変厳しく、財政調整基金の枯渇などから、今後の市町村分担金見直しについて議論が始められています。こうしたことから、村の分担金の増加も覚悟しなければなりませんが、施設の民営化を進めるという話もある中で、6市町村すべてが納得できる状況を創り上げていくことが大事だと思っています。
次に、令和6年度決算の概要について、少し述べたいと思います。まずは予算額でありますが、一般会計当初予算は34億1千万円で出発し、決算時の予算総額は38億2千209万6千円でありました。
決算額は歳入が36億8,159万1千円、歳出は32億3,060万7千円で、繰越明許費4千426万9千円を差し引いた実質収支額は、4億671万5千円となりました。その内、財政調整基金へ2億336万円を積み立て、2億335万5千円を翌年度へ繰り越しました。令和6年度末の財政調整基金は約16億5千800万円、基金総額は約28億7,700万円となりました。
これからも皆様と共に、安心して暮らせる村づくりに取り組んでまいります。村政への温かいご理解とご協力をお願いいたします。