くらし 特集 未来を変えるつながる力(3)

ー次の自治会長に伝えたいことはありますか。ー
髙井:昔は家の事情を考えて役員を回していましたが、今は輪番制が一般的です。中には、思うように動けない自治会長もいると思います。そんな時は、無理に頑張る必要はありません。経験者や周囲の人に助けてもらってください。
瀧上:仕事をしながら自治会長を務めるので、当然できないことも出てきます。そういう時は「ごめんなさい」でいいと思います。でも、「何とかしたい」という気持ちも分かるので、今は相談役として支えています。自治会員から「自分はこういう協力ができるよ」と言ってもらえる関係を築けると自治会長も運営しやすいと思います。
熊崎:自治会長だからやれることはたくさんあると思います。動かないのはもったいないかもと感じています。楽しいことやワクワクすることを実現できる手段があるかもしれないですし、いろいろ挑戦できる面白さもあります。もちろん、無理をする必要はありませんが、動ける人や人と関わってみたいなという人には、楽しさややりがい、面白さを感じてもらえるはずです。
髙井:自治会長は特別な資格がなくてもできる地域ならではの役職ですからね。誰でも自治会長になれるし、その中でやりたいこともできる。それを楽しんでほしいです。

ーこれからの自治会についての思いを聞かせてください。ー
髙井:市の未来を考えたとき、人口減少はすでに数字として表れています。これからどうなっていくのか分からない世界ですが、自分たちが希望する未来を思い描き、子どもたちと明るい未来を見ていきたいと思っています。そのためには、次世代が主体的に決めていけるような社会づくりを私たちがしていく必要があります。
それから、自治会と行政はそれぞれ役割分担があると思いますが、地域の人たちが「自分たちが美濃加茂市をつくっている」という感覚になるようなまちづくりをしていきたいなと思っています。
瀧上:自治会も行事もなくすことは簡単。でも、やめたあとに「やっぱり必要だよね」と感じたとき、取り戻すのはとても大変です。だからこそ、今あるうちに自分たちで回せる方法や内容を考えていかなければならないと思います。
それから、髙井さんと同じで、大人が頑張っている姿、キラキラしている姿を子どもたちに見せることはとっても大切です。自治会だけでなくPTA活動も仕事も一緒で、大人が社会に出て活動している姿がキラキラしていれば子どもも自然とキラキラしてくる。子どもたちはいつも大人の背中を見ています。良い循環が生まれる社会を目指すためにも、まずは大人が変わらないといけないですね。
熊崎:他県では、高校生が自治会長をやっている地域もあるようです。できないところは大人たちがやればいいですし、面白いまちにできるのではないかと思います。
そうやって関わりたいなと思える人が関われる組織になるといいなと思うし、関わりたい人が活躍できる場を自治会が作っていけるといいなとも思います。