- 発行日 :
- 自治体名 : 岐阜県揖斐川町
- 広報紙名 : 広報いびがわ 令和7年11月号
■國枝誠樹議員
▽揖斐川町における「包括的性教育」について
「性教育」とは、主に「生物学的な知識」に焦点を当てる教育であるが、生物学だけでなく、人権、ジェンダー平等、同意、性暴力防止、多様性の理解なども含め、子供が安全に生きる力を育む教育を行う「包括的性教育」が近年各自治体において導入や関心が広がってきている。
包括的性教育は、単純に「性の知識を教える」ものではなく、子供たちの人権を守り、命を尊び、安心して生きる力を育てる教育である。子供たちも、インターネットやSNSで断片的な情報にさらされるよりも、学校で正しい学びを得ることが必要なのではないか。
学習指導要領に照らし合わせると様々課題が出てくることは認識しており、保護者の十分な理解も必要であると考えるが、町内の小中学校で国際的なガイドラインである「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」に基づいた「包括的性教育」を取り入れていく考えはあるか。
また、揖斐川町の現状で不足していると考える部分があればどう補うか、相談体制、人権保障など子供をどう守るか聞きたい。
▽町長
ご指摘のとおり、時代の変化や昨今の社会状況を踏まえたとき、学校で行う性教育についても、従来のイメージである「生殖や性行動」などの生物学的な知識にとどまらず、多様な側面から性というものを捉え、学ばせていくことは重要であると考える。
「包括的性教育」においてガイドラインでは、人権、ジェンダー平等、性暴力防止、情報モラル、多様性の理解などがキーコンセプトとして示されているが、これらの内容は平成以降、社会や時代の要請により学校教育に取り入れられてきた内容であり、およそ10年ごとに見直しが行われる学習指導要領、4年ごとに改訂される教科書も、時代の要請を踏まえて都度、内容の見直し・充実が図られている。
また、昨今は、子供の学習負担や、教員の働き方改革も問題となる中、新しい教育概念が提唱されるたびに教育課程を上積みすることは望ましいことではないと考えている。
子供を性の問題から守る相談体制については、本年度より管内の全中学校に、スクール相談員が常駐する「校内教育支援センター」を設置し、子供たちが心の不調や問題を抱えた際にはいつでも相談できる体制を整えており、子供たちの悩みを早期に察知できるように努めているところである。
今後も、教科、道徳、総合的な学習の時間、特別活動それぞれにおける指導の充実と、子供を守る体制のさらなる強化を図りながら、教育課程全体を通した子供の育成に努めたい。
■岸啓司議員
1、クマ出没時における教育現場や公共施設での現在の対策と今後の課題について
揖斐川町内では、今年も既に多数のクマの目撃情報が相次ぎ、これから秋にかけてさらにクマが人里に近寄ってくる可能性が高い。
全児童・生徒へのクマ鈴の貸出や配布、各学校へのクマ避けスプレーの配備、地域での行動マニュアルの作成および勉強会の実施などを考える上で、まずは町や教育委員会主導で学校やPTA、地域との意見交換会などの開催が必要ではないか。
▽町長
現在、町ではクマ出没の際にビジネスチャットツールにより関係職員同士が即時連絡を取り合う体制ができており、出没場所、時刻、個体の大きさ、移動先、対策について情報共有をしている。
また、住民には防災行政無線やいび情報ナビで知らせるとともに、教育委員会から該当校区の小・中学校への連絡や家庭への連絡を行い、必要に応じて保護者による登下校の送迎、警察や猟友会とも連絡を取り合い地域の見守りを依頼している。
クマ鈴については、地域によって出没の偏りがあるため、各学校で必要に応じて対応している。
クマ避けスプレーについては、スプレーの成分が刺激物であり、事故の危険も伴い、クマ遭遇時の緊迫した精神状態で適切な使用が難しいことなどを考慮し、いずれの学校も設置はしていない。
行動マニュアルについては、すでに県から「岐阜県における『地域ぐるみ』でのクマ対策」のマニュアルが提供されており、現時点では、意見交換会までの対応は必要ないと考えている。
今後、クマの出没が一層頻発し、各学校・地域で対策の検討が必要となった場合は、学校運営協議会において関係者の皆さんと必要な措置を検討し講じたいと考えている。
■岸啓司議員
2、獣害防止柵の取付が未実施になっているエリアに対しての今後の取り組み(公助での実施の必要性)について
町による防止柵の現物支給など積極的な働きかけと地域住民の協力により多くの地域で設置されているが、高齢化による人員不足や地形の問題など、地域住民だけでは柵の設置を進めることが困難な地域もある。
鳥獣害防止柵の設置が自助や共助では進めることが難しい地域へ「公助」で進めることはできないか。
▽町長
鳥獣害防止柵については、地元からの要望に対して柵を配布するとともに、設置手間やその後の維持管理費に係る経費として1m当たり1,000円の設置保守費を支給し、平成23年度から令和5年度までの13年間で約183kmを設置している。昨年度には、大規模補修が必要な箇所や一部未実施となっている箇所について再調査を行い、新たに要望があった7,729mについても、今後全てお応えする計画である。
そうした中で、柵が設置されていない箇所があることは承知しており、人手不足で自ら設置ができない場所に、仮に「公助」で設置したとしても、その後の維持管理ができず、自ら設置をされ、維持管理を頂いている地区の皆さんの、これまでのご尽力、ご労苦に対して不公平という事になるため公助での設置、維持管理は困難であると考えている。
