くらし ~シリーズ~「川辺かるた」で巡る川辺の魅力

◆い
「一条(いちじょう)の 白糸(しらいと)流(なが)れし 南天滝(なんてんだき)」
飛騨川に注ぐ滝沢(たきざわ)の山間部一帯を日後谷(ひごだに)という。日後谷の林道をしばらく行くとお堂が見えてくる。そのお堂の向こうに立派な滝が現れる。落差20メートル、一気に流れ落ちる姿は一条の白糸のようである。夏に訪れると、音としぶきにひとときの涼が得られる。往時は茶店が並ぶなど賑(にぎ)わいを見せていた。この滝は景行天皇が巡幸の際、休憩時に滝つぼの清水をお飲みになったことから、『天子の滝』とも呼ばれている。

◆ろ
「論争(ろんそう)の 歴史(れきし)を秘(ひ)めて お山(やま)あり」
川辺町の最北端に位置する納古山(のこやま)は標高633メートル。江戸時代、この山は下川辺、栃井、中川辺、石神、上川辺、鹿塩の入会地(いりあいち)であったが境界も不明確となり、論争は江戸から明治まで173年間の長きにわたり続いた。下吉田にある権現山(ごんげんやま)は標高598メートル。この山は米田・八百津の各村の入会地(いりあいち)であったが、同様の境界争いが江戸時代中期に繰り広げられた。両山とも論争の歴史を秘めつつ、現在美しい山容を見せている。

●「川辺かるた」とは…いろは48文字のうち「を、ん、ゐ、ゑ」を除いた44文字で構成され、川辺町のさまざまな魅力が札となって登場します。中央公民館の窓口にて1,000円(税込)で購入することができます。