- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県沼津市
- 広報紙名 : 広報ぬまづ 2026年1月15日号
■海の恵みで沼津のブランド力を高める
[市長]今、地方都市は人口減少や産業の縮小など厳しい状況にあります。そのような中で、地域ならではの資源をどう活かすかが重要で、沼津にとって大きな柱のひとつが海の恵みです。実際、沼津には全国に誇れる地元の水産物を活かした料理があり、海の魅力を発信するコンテンツとして大きく貢献しています。
[猿渡]令和5年に開催された「Sea級グルメ全国大会in沼津」に呼んでいただきましたが、あれほど大規模なイベントだとは思わず驚きました。
[市長]2日間で約12万人が来場した、最大規模の大会でした。昨年9月に青森で開催された全国大会では「沼津あじフライたるたるサンド」がグランプリを獲得し、沼津の海のブランド力に注目が集まりました。
[猿渡]それはすごいですね!
[市長]沼津名産のアジをフライにし、緑色のタルタルソースをかけてパンで挟んだ逸品です。実は市内の店舗でも販売が始まっているんですよ。
[猿渡]それはいいですね。海の恵みが、ちゃんと地域の価値として形になっていると感じます。
[市長]沼津港も整備を進め、内港に浮桟橋を設けたことで海上からのアクセスが良くなりました。ヨット体験など、海に親しむ取組も行っています。
[猿渡]深海魚大学で戸田に住む子が深海魚を恐る恐る触るのを見ると、地元の子でも触れる機会は少ないのかなと感じます。身近だからこそ魅力に気づきにくい面もありますよね。
[市長]その通りです。戸田では、タカアシガニに標識を付けて放流する取組も行っています。自然を身近に感じてもらう、貴重な機会になっています。
[猿渡]そのような成果を整理して発信できれば、研究としても、地域の取組としても大きな意義がありますね。
■海とともに生きるまち
[市長]現在、沼津市では沼津駅周辺総合整備事業の着実な事業進捗が図られており、中心市街地では沼津駅南口のにぎわい拠点や中央公園の再整備に着手するなど、まちなかに新たな魅力が生まれようとしています。同時に、沼津の魅力を伝えていくためには海がもたらした文化や食の魅力を伝える取組も大事だと再認識しました。
[猿渡]沼津を訪れるたびに感じるのは、海がすぐそばにある暮らしの心地よさです。港の風景を眺め、路地を歩くだけでも、海とともに生きてきたまちの空気が伝わってきます。
[市長]沼津は、港や海岸が市民の生活圏にあり、日常の中で海に触れられるまちです。海水浴や釣り、磯遊び、そして新鮮な魚を味わうことまで、身近に楽しめる環境は大きな魅力だと思います。こうした環境を、次の世代にも当たり前のものとして残していきたいですね。
[猿渡]研究の立場から見ても、沼津の海は本当に恵まれています。駿河湾は日本一深く、多様な生き物が集まる世界的にも貴重な海です。戸田の深海トロール漁をはじめ、地域の協力があるからこそ、研究や教育が成り立っています。
[市長]沼津港や戸田漁港をはじめ、沼津にはいくつもの港があります。市としても水産業や海に関わる取組を支えながら、市民の皆さんが海に親しみ、誇りを持てる機会を増やしていきたいと考えています。本日の対談が、沼津の海やまちに目を向けるきっかけとなれば幸いです。
[猿渡]深海魚をきっかけに、まずは見に行く、食べてみる、イベントに参加するなど、身近な一歩を踏み出してもらえたらうれしいですね。
[市長]これからも、市民の皆さんとともに、海とともに生きる沼津の未来を築いていきましょう。
■猿渡 敏郎(さるわたり としろう)
東京大学大気海洋研究所海洋生物資源部門資源生態グループ助教。深海魚を研究し、未利用魚活用に取り組む。好きな魚料理はメヒカリのお刺身。
■賴重 秀一(よりしげ しゅういち)
沼津市出身。沼津市議会議員、沼津市議会議長を経て、2018年から沼津市長を務めている。好きな魚料理はアジフライ。
