くらし [特集]縁(えん) 地域を支える共助のチカラ(3)

[縁のささえ]
地域の活動で欠かすことはできない、他者を思う気持ち。鍋島地区で運行されている「ゆめバス」は、住民同士の思いやりの輪が運行を支えている事例だ。生活の足に留まらない、住民の居場所の一つになっている。

■INTERVIEW 運行者と利用者がお互いに、思いを馳(は)せることできっとうまいく
ゆめバス代表 森田一彦(もりたかずひこ)さん
鍋島地区には、公共交通機関がありません。5年前、高齢者が他者の送迎を担っていることに危機感を感じ、地域運行バスを検討するように。市と協議し、運行は地元が、車両の提供などは市が担うことになりました。目的は週に一度の買い物支援。できることは地域でやった方が良いと考えています。
バスの運転手は皆、有志のボランティアです。地域のチカラになりたいとの思いが、突き動かしています。そんな他者を思う気持ちは、利用者も同じです。さまざまな理由で、バスを利用していますが、皆さんの困りごとは買い物だけでは無いはず。病院など、他の用事もあるかと思いますが、全員がルールを守り、お互いに気持ちよく利用しています。それは、運転する私たちや、他の利用者を思う気持ち。温かい気持ちが運行を支えています。

■INTERVIEW 将来、助けが必要になるかもしれない。だから、今できることはやりたい
ゆめバス共同代表 戸田年生(とだとしき)さん
鍋島は「やろう」と声を出せば、共感してくれる人が多い地域です。私も森田さんの人の良さに共感し、ボランティアを始めた一人です。年を取れば、誰かの助けが必要になるかもしれない。今こそ、自分にできることで地域のチカラになりたいですね。

■INTERVIEW 地元運行バスには地域のチカラが、必要不可欠です
生活安心課 小松青平(こまつしょうへい)主事
地元運行バスは、運転を担うボランティアさんのチカラが大きいです。善意の気持ちでバスの運行をやってみたいと考えている地域を、市は応援しています。ぜひ一度、生活安心課へご相談ください。

問合せ:生活安心課
【電話】36-7144

■ゆめバスで買い物に出かけよう!
▽VOICE 利用者の声 みんなで楽しく買い物に行ってます!
免許を返納したり、車の運転が苦手だったりする人がいるので、買い物に連れて行ってもらえるのはありがたいですね。しかし、一番はみんなで出かけること。家にいると出かけることが億劫(おっくう)になってしまいますが、バスに乗ると、みんなでワイワイおしゃべりをしながら出かけるので、本当に楽しいですね。お店までの往復40分程の道のりですが、短いなと感じています。
※詳細は本紙をご覧ください。