健康 ~食事・治療・歯・薬・介護を考える~教えて!健康のコツ

小笠掛川歯科医師会 その60 牧野尚子

■早く気付いて!オーラルフレイル〜人生100年時代を健康に生きるために〜
「健康は健口から」と言われるように、健康であり続けるために「お口」を健やかに保つことは大変重要です。
歳を重ねてくると、目が見えにくくなった、歩くのが遅くなったなど、「歳をとったな。」と感じることがあるかと思います。それと同じように「お口」も「歳をとって」いくのです。

◇〝噛む〞ために
ご自身の歯は何本ありますか?特に奥歯でしっかり噛めることが大切です。8020運動でもうたわれているように、80歳で20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足できると言われています。しかし、歯があるだけで「食事」は摂れません。「噛む力」が必要です。半年前に比べて、固いものが食べにくくなった等あるようでしたら注意が必要です。

◇〝飲み込む〞ために
お茶や汁物でむせることはありませんか?飲み込みに失敗すると窒息や誤嚥性肺炎といった生命の維持に関わる大きな事案につながることがあるので注意が必要です。
お口の渇きも、食べ物を飲み込みづらくします。病気やお薬の副作用だけでなく、歳を重ねるだけでもお口は乾燥することがあります。
また、舌にはたくさんの役割があります。味わうだけでなく、噛む、食べ物をノドに送り込む、発音などです。普段の会話で言葉をはっきり発音ができないことがあるようですと心配ですね。
このようなご自身のお口の変化は、意識しないと気が付きにくいものです。なぜならば、それは〝病気〞ではなく、〝衰弱(老化)〞だからです。これが「オーラルフレイル」です。
カタカナは、分かりづらいですよね。オーラル=お口、フレイル=衰弱。オーラルフレイルとは、気が付かないような「軽微な衰え」が重複し、お口の「機能低下」の危険性が増している状態です。しかしまだ、「改善可能な状態」である、ともされています。
オーラルフレイルは、全身のフレイルや筋肉減弱(サルコペニア)、低栄養を引き起こすと考えられています。この「軽微な衰え」を見逃さず、いつまでも元気で美味しく食べられるように上手にかかりつけ医をつかいましょう。

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