健康 ~食事・治療・歯・薬・介護を考える~教えて!健康のコツ

小笠医師会 その61

■運動器を元気に保って、健康寿命を延ばそう
◇運動器とは
「運動器」とは耳慣れない言葉だと思いますが、骨・関節、筋肉、靭帯、腱、神経など体を支えたり動かしたりする器官の総称です。
平成に入ってから、運動能力の低下が引き金になりけがや骨折をするこどもが増えました。運動をしない子に「運動器機能不全」と言われるグループがあり、すぐに転んでしまうバランスの悪さや衝撃を吸収しきれない関節の硬さを伴っていました。
一方、運動能力の高いこどもの中にも運動過多になってしまい、そのスポーツ特有の運動器の傷害が発生する「オーバーユース症候群」が存在することも明らかとなりました。

◇学校運動器検診
この事態に対応するために、文部科学省が2016年(平成28年)より「学校運動器検診」を導入しました。対象は小学校1年生〜高等学校3年生までの全学年で、毎年行われます。学校運動器検診の流れは、(1)保護者による事前チェック、(2)学校医による一次検診、(3)必要に応じて整形外科専門医による二次検診です。二次検診の結果、ハッキリとした運動器の障害が確認されれば治療の対象になりますが、明らかな傷害が認められない場合は、検診で指摘された部位のストレッチ体操を指導することになります。二次検診の受診を指示された場合でも、不安がらずにまずは整形外科を受診してください。

◇ロコモーティブシンドローム
学校運動器検診の究極の目標は、運動器を健康に保って将来のロコモーティブシンドローム(ロコモ)の発生を押さえることです。ロコモとは、運動器の障害や衰えによって、歩行困難など要介護になるリスクが高まる状態です。では、運動器のチェックは学生のときだけやれば良いのでしょうか?決してそうではありません。加齢による下肢筋力の低下度を把握することが重要です。「ロコモ度テスト」というセルフチェックの方法があります。もし「ロコモ度1(移動機能の低下が始まっている状態)」に該当したなら、ロコモーショントレーニング(ロコトレ)を始めとする運動を習慣づけるようにしましょう。

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