- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県伊豆の国市
- 広報紙名 : 広報いずのくに 令和7年12月号
■伊豆の国歴史館カウントダウンNo.3
▽古(いにし)え人(びと)のお墓がわかる
令和8年度開館予定の文化財展示施設「伊豆の国歴史館いずしる」では、市内の遺跡の発掘調査で見つかった出土品をたくさん展示します。今回は、古墳時代の出土品です。
市内には特徴的な2つのお墓の形があります。1つ目は土を盛って石室などに埋葬する、いわゆる「古墳」です。多田地区の多田大塚(ただおおつか)6号墳からは、まげを結い、ひげを生やした男性の人物埴輪(はにわ)が出土しています。出土した埴輪は頭部だけですが、展示施設では全体を復元して、この人物の正体を解き明かします。
2つ目は、台地のへりや山の斜面に横穴(よこあな)を掘って、埋葬する横穴群です。江間地区にある「国史跡大北横穴群」の24号横穴からは、「若舎人(わかとねり)」という文字を刻んだ石櫃(いしびつ)(石の骨壺)が出土しています。「舎人」とは、飛鳥・奈良時代に天皇や皇族に仕えた役人のことです。「若」には「若い」役人という説と、「若」=「皇太子」と解釈して皇太子に仕えた舎人という説があります。江間から遠く大和まで宮仕えに行き、帰郷して葬られた人はどんな人物だったのでしょうか。
人物埴輪や石櫃の文字から、古え人の姿を想像するのも、展示の楽しみの一つです。
問合せ:文化財課
【電話】055-948-1428
