健康 森町地域包括ケア講座 No.25

■-いつのまにか骨折-
「いつのまにか骨折」という言葉をご存知でしょうか?
これは、明らかな転倒や事故などがないにもかかわらず、気づかないうちに骨が折れてしまっている状態のことを指します。特に高齢者や骨粗しょう症の方に多く見られるもので、背骨の骨折として起こることがほとんどです。背骨の骨折と聞くと、激しい痛みを伴うものを想像するかもしれません。しかし、「いつのまにか骨折」の場合は痛みがほとんどないか、あっても軽度なため、本人が骨折に気づかずに日常生活を続けているケースが多くあります。そのため、「最近背中が曲がってきた」「身長が縮んできた」と感じる方は、すでに背骨が骨折している可能性があります。
このような骨折は、一度起こると連鎖的に他の骨も折れてしまう危険があります。これを「ドミノ骨折」と呼びます。骨粗しょう症によって骨がもろくなっていると、立ち上がる、荷物を持ち上げる、くしゃみをするといったちょっとした動作でも骨折が起こり得るのです。
特に閉経後の女性は、女性ホルモン(エストロゲン)の減少により骨密度が急激に低下しやすいため、注意が必要です。自覚症状が出る前に、定期的に骨密度検査を受けることがとても大切です。
早期に骨粗しょう症を発見し、適切な治療を行うことで、「いつのまにか骨折」や「ドミノ骨折」を未然に防ぐことができます。年齢を重ねても自立した生活を送るために、ぜひ骨の健康にも目を向けてみてください。