- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県森町
- 広報紙名 : 広報もりまち 令和7年8月号
■みんなで守ろう、森町の夏 〜熱中症から大切な人を守るために〜
森町にも本格的な暑さがやってきました。この時期に気をつけたいのが「熱中症」です。
熱中症は、屋外だけでなく室内でも発症し、高齢者や子ども、持病のある方は重症化しやすいため、早めの対策が必要です。高齢の方をはじめ、小さなお子さんや健康な若い人でも、注意を怠ると命に関わることがあります。大切なのは「のどが渇いた」と思う前に水分をとること。1日を通してこまめに水や麦茶を飲みましょう。汗で失われるのは、水分、塩分(ナトリウム)、カリウムです。これらの補給が大切なので、長時間の外出時や運動時、畑仕事などではスポーツドリンクや塩飴、塩分補給タブレットなども活用しましょう。
実は水分・塩分・カリウムが一度に摂取できる野菜ジュースは、熱中症対策に適しています。ただし市販の野菜ジュースには、糖分が多く含まれているものがあったり、適量が定められたりしているため、コップ1~2杯(紙パック200mlなら1~2本)を目安に摂るようにしましょう。
特に高齢の方は、暑さを感じにくくなるため、エアコンを遠慮せずに使い、室温28度以下を目安に調整を行いましょう。電気代も気になりますが、熱中症になり医療費がかかっては元も子もありません。
日中の外出は控え、外に出るときは帽子や日傘を使い、できるだけ日陰を歩きましょう。体のだるさ、めまい、頭痛、吐き気などの症状があれば、早めに涼しい場所へ移動して、麦茶もしくは塩分・カリウムの含まれた経口補水液などを補給し、身体を休めてください。
地域のみんなで声をかけ合い、気にかけ合うことで、熱中症の予防は大きく進みます。
高齢のご家族や近所に一人暮らしの方がいらっしゃる場合は、「最近どう?」と声をかけるだけでも、命を守る行動につながります。「お元気ですか?」の一言が、誰かの命を守るかもしれません。
熱中症は、正しい知識と早めの行動で防げる病気です。この夏も、安全で元気に過ごせるように、地域で声をかけ合い、町全体で支え合っていきましょう。
家庭医療クリニック 所長 棚橋信子