文化 ごん吉くんレポート~南吉よもやま話~

■第78回 新美南吉はスイーツ男子~成岩の菓子屋~
成岩は菓子屋の多い古い町である。(略)昨日は菊屋という製菓屋でむしようかんを一本とウイローを二つ十銭で買って来た。(略)菓子をポケットに入れて帰る楽しさは子供の時から大して変らない楽しさである。
S12.12.14 南吉の日記

昭和12年、飼料会社(杉治商会)に勤めた新美南吉は、鴉根山の寮から港の事務所まで毎日自転車で通い、途中、成岩の菓子屋に立ち寄りました。南吉の菓子好きは、寮の副舎監をした会社の青年学校で、生徒達から「月給が弐拾円で、饅頭代三圓」(S12.12.26)と揶揄されるほどでした。彼の童話にも、油菓子、餡つぼ、大餡巻などのお菓子が登場しています。現在、日記にある成岩の菓子屋は残っていませんが、作品を知る手がかりとして、記念館では情報を集めています。ご存知の方は、ぜひご連絡ください。
※南吉のスイーツ男子ぶりは、記念館の公式noteでさらに詳しく紹介しています。