- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県刈谷市
- 広報紙名 : かりや市民だより 令和7年8月15日号
刈谷ですてきな活動をしている人を紹介します!
■野田雨乞笠おどり保存会 会長
坂田 幸司(さかた こうじ)さん
プロフィール:
第7代目の会長で、就任5年目。朝日小での伝統文化出張講座をはじめとした普及活動に尽力。
◆野田雨乞笠おどり大会
日時:8月24日(日) 16時
場所:野田八幡宮
▽300年以上の歴史を誇る市無形民俗文化財
「雨乞いを踊っていた昔の人の思いをしっかり伝えていきたい」と話すのは、野田雨乞笠おどり保存会会長の坂田さん。野田雨乞笠おどりは、農民の切実な雨への願いと感謝を表す奉納神事です。2人1組の踊り手が太鼓を中に向かい合い、両手に「つつろ」と呼ばれる短いバチを持ち、雨乞唄とほら貝、財払いに合わせて太鼓を打ちながら踊ります。1712年に野田八幡宮で雨乞いの祈願が行われた記録が残っており、これが野田雨乞笠おどりの始まりとされています。
▽戦争で中断した雨乞いの復活
長きにわたって踊り続けられた伝統文化も、太平洋戦争をきっかけに中断してしまいました。しかし、坂田さんが野田青年団の団長を務めていたころ、市から野田に伝わる伝統文化を紹介されたことがありました。その時「地元の文化を絶やさず大切にしたい」と思い、中断前に踊っていた人から指導を受け、1979年に地区と協力して踊りを復活させました。翌年には保存会を結成し、坂田さんも立ち上げのメンバーの1人となりました。
踊りは大きく分けて「三拍子」「ささら」「綾」という3つがあります。それぞれの踊りには複数の歌詞があり、祈願や感謝など場面に応じて歌い分けています。「もともと口頭で伝承されてきた文化。今でこそ歌詞の本があるが、それも耳で聴いた歌詞を文字起こししたもの。だから歌詞の意味を自分たちで解釈して歌って踊っている」と話します。
▽若い世代への継承
毎年7月の終わりごろから地元の子どもたちに雨乞いを教えており、「今年も多くの子に参加してもらっている。お祭りに出てくれた子たちが『楽しかった』『また来年もやりたい』と言ってくれるとすごくうれしい」と笑顔で話す坂田さん。さらに「ここまで長くやっていると、昔教えた子が大人になって、子どもを連れて雨乞いに参加してくれることもある。1つの文化継承の形だと思う」と胸を張ります。
「少しでも長く野田の雨乞いという文化が続いてほしい。これからも子どもをはじめ、学生くらいの若い世代への継承も意識していきたい」と今後の目標を語る坂田さん。地元の伝統文化を守るため、坂田さんの活動はこれからも続きます。
◆輝く人の原動力!
▽子どもたちとの触れ合い
保存会の人はみんな子どもが好き。雨乞いを教えながら、パワーをもらっています。
▽各地で雨乞いを披露
全国各地の伝統文化イベントに招待されることもあります。かつては姉妹都市のカナダ・ミササガ市で披露したことも。
※詳しくは本紙をご覧ください。