- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県西尾市
- 広報紙名 : 広報にしお 2025年12月号
「あき」といっても、季節の秋ではありません。
放置された「空き家」やまちに影を落とす「空き巣」を地域の力でなくしましょう。

■空き家と空き巣の現状
7年11月時点で、市地域つながり課が把握している未解決の危険な空き家件数は、300件以上となっています。
どのような理由で空き家になっているかは、それぞれの家によって違います。家主が亡くなった後の相続手続きが進んでいない、仕事の都合で住宅の管理ができないなど、やむを得ず空き家になってしまっているケースが多いのかもしれません。
▽空き家のリスク
空き家を長期間放置することで、家主はさまざまなリスクを負うことになります。例えば、放置した家屋が原因で、他人にけがを負わせた場合には、家主が損害賠償の義務を負います。また、放置された空き家の庭や周辺などに草木が生い茂り、まちの景観を損ねたり、近隣住民に迷惑をかけたりすることもあります。
中には、不審者が勝手に侵入し、空き家で寝泊りしていることも。空き家には家主や地域にとって、さまざまなリスクが潜んでいるのです。

▽空き巣被害の現状
西尾警察署管内での侵入盗は、3年に53件だったものが、翌年以降、60件、109件、92件と、年々増加またはほぼ横ばいの傾向です。
侵入盗の種類は、不在の家に侵入する「空き巣」、家人が就寝しているときに侵入する「忍込み」、食事中などに侵入する「居空き」があり、中でも空き巣の件数が一番多くなっています。
空き巣に狙われやすい家の特徴は、高い塀で囲まれている、樹木などがあり人目につきにくい、近所付き合いが少ない、庭木などの手入れがされていないなどです。

■空き家の放置で発生するさまざまなリスク
・放火・いたずら
・不審者の侵入
・雑草が生い茂る
・ごみが放置される
・屋根材などの飛散
・動物がすみ着く
・シロアリなどの発生
▽中学校区別 空き家と侵入盗の件数(6年中)

西尾市の地区ごとの空き家と侵入盗の件数に相関関係があるとはいえません。しかし、国内外の研究では、空き家と侵入盗には相関関係があるといわれています。
(侵入盗件数:令和6年犯罪と少年非行のあらましより)
《COLUMN 聞いたことある!?割れ窓理論》
1枚の割られた窓ガラスを放置してしまうと、さらに割られるガラスが増え、次第に荒れ果ててしまうという、アメリカの犯罪学者、ジョージ・ケリング博士が提唱した理論です。ニューヨーク市でまちの落書き消しなどを行った結果、犯罪発生率が大幅に減ったとされています。

■空き家の増加は重要な課題
地域の景観や治安、経済にまで影響を及ぼす空き家の増加は、西尾市だけでなく全国的にも重要な課題になってきています。
空き家を放置すれば、地域でのトラブルや空き巣などの犯罪につながる恐れもあります。
空き家を所有している方は、適正管理はもちろんのこと、空き家バンクの活用などを、ぜひ検討ください。
地域つながり課も空き家対策をサポートしていきます。

