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■アダムとハウンのインターナショナルリレーコラム
テモン(胎夢)
国際交流員　李賀恩(イ・ハウン)

韓国には「テモン(胎夢)」という特別な夢の文化があります。これは赤ちゃんを授かる前や妊娠初期に、妊婦やその家族、親しい人が見る夢のことで、赤ちゃんの性別や性格、将来の才能などを暗示すると信じられています。例えば、竜や虎が夢に出てくると「力強くてリーダーシップのある子」、美しい花や果物は「芸術的な才能のある子」などと解釈されます。金や宝石が出てくる夢は、とても運のいい子が生まれるサインだといわれることもあります。このような胎夢は、迷信の一つと見る人もいますが、多くの韓国人にとっては「新しい命の訪れを知らせる大切な夢」として、今でも大事にされています。
韓国では、赤ちゃんができたとわかったとき、家族や親族、友人同士で「どんな胎夢を見た?」と話し合うのはよくあることです。胎夢に出てきた動物や物について記録を残し、将来、こどもが成長したときに伝えることもあります。韓国人に「あなたのテモンは何?」と聞くと、リンゴ、柿、鳥、蛇などいろいろな物が登場するので面白い夢の話が聞けると思います。
科学では説明できない不思議な夢ですが、韓国では愛情や希望が込められた、独特な文化として根付いているのです。