- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県知立市
- 広報紙名 : 広報ちりゅう 令和7年9月号
今回は市内の学習支援団体「無料塾やま」を取材しました。
■無料塾やま
「無料塾やま」は、市内で毎週土曜日の午前9時15分から子どもたちの宿題を見たり、その延長でプラスアルファの勉強を教えたりしている団体です。場所は中央公民館で、対象は小学3年生から中学2年生です。
■「無料塾やま」西さんに聞きました!
(Q)この塾はどういった経緯で始まったのですか?
(A.)高校在学時、十分に教育の機会を得られず苦労している仲間や子どもたちの環境を知り、そういう環境下に置かれている子どもたちを支援できないかと考えていました。そんな中で、「「無料塾」という生き方ー教えているのは、希望。」という著書と出会い、「無料塾」という支援形態を知ったことをきっかけに、無料塾を立ち上げようと思いました。初めは教育格差の是正を目標に活動していたのですが、「点数を上げないといけない」というプレッシャーが子どもたちやサポーターにかかってしまうと気づき、今では子どもたち一人一人に寄り添うことを第一に考えています。
(Q)この塾の魅力を教えてください。
(A).他の有料の塾と違った魅力として、「居場所」としての価値が高い点が挙げられます。小中学生の子どもたちはどうしても学校と家との往復になってしまって、心の拠り所を失ってしまうケースがあるため、そんな子どもたちの一つの居場所であってほしいという思いがこの塾には込められています。また、学習支援活動を通して、大人も子どもも楽しく過ごせるコミュニティの一つであってほしいという思いもあります。
(Q)この活動をしていて大変なことはありますか?
(A.)任意団体であるが故に、大人の信用を得る難しさを実感しています。方針の変更に伴い、団体内外から批判を受けることもあります。それでも、よりよい居場所づくりのための試行錯誤は惜しまず、日々努力しています。
(Q)今後の目標を教えてください。
(A.)今後は、多様な事情を抱える子どもたちへの対応を、専門家や行政と手を取り合って、考えていきたいです。個人としては、子どもたちの現状をもっと学問的に語れるように大学院を目指しています。また、今よりも多くのボランティアや運営メンバーで、この活動を安定して続けていくことも今後の課題です。
■編集後記
しっかりした考えや目標を持ったリーダーである西さんは、子どもたちやサポーターの人にとってとても心強い人なのではないかと思いました。「居場所」はいくつあってもいいと思うので、その一つとしてある「無料塾やま」は、子どもたちにとってかけがえのない存在なのではないかと思いました。また、夏休みのポスターの宿題に悩む子どもの声を聞いて、ポスター教室を開催したというお話も聞きました。子どもの意見を真摯に受け止めそれを反映することは、なかなかできることではないと思います。本当に子どもたちのことを第一に考えてくれる素晴らしい塾だと思いました。これからも子どもたちの居場所としてあり続けられるような塾であることを期待しています。
■愛Pとは?
愛知大学の学生サークルです。主な活動として、オープンキャンパスで愛知大学生の生活を紹介する独自の運営や来てくださった人にご案内を行っています。活動を通じて、愛知大学の魅力を学生目線で発信している広報サークルです。このコーナーでは、学生らしい視点でイベントや地域の人たちを取材し、知立市の魅力を新発見、再発見したものを伝えていただきます。