子育て 教育の広場

■広島研修
◇「広島から学んだ私たちの未来」
弥富中学校　星出和音(ほしでねね)

【平和記念資料館を訪れて】
私は館内の絵や言葉に衝撃を受けた。全身の皮膚が溶けていたり、目が飛び出したりしているのを見て、これが現実に起こったことだとは信じられなかった。私は、「最悪」とはこのことだと思った。一番印象に残った絵は、被爆して飲み水がない中で降ってきた黒い雨を、空に大きく口を開けて飲んでいる女性の絵だ。絵の中の人は、今後その黒い雨で苦しむことになると想像したら、とても苦しくなった。そして言葉からは、悲しさや、悔しさ、後悔、怒りなど、その人が感じた感情が一気に流れ込んできて、とてもつらいと感じた。でも、何もかもなくなってしまった広島が、こんなにもきれいな街へと姿を変え、過去を忘れず語り継いでいる姿に感動した。

【被爆ピアノを聴いて】
歌詞の中に「死んだ歴史が残したものは、輝く今日とまた明るい明日」とあるが、当時の人が頑張り続けたことで今があるという意味だと思う。「他には何も残せなかった」とあるのがなくしたものは取り返せないという意味だと感じた。

【平和公園を訪れて】
原爆死没者慰霊碑にたくさんの花と色々な言語に翻訳された説明があり、亡くなった方と向き合い、忘れないという気持ちが伝わってきた。平和の灯は平和だから燃えているのではなく、この世に核兵器がある限り燃え続けるということに驚いた。

【平和のためにできること】
私は、まだ未成年であり、経済力も、影響力もないので、戦争の悲劇と、戦争で失ったものを忘れずに、なるべく多くの人に、正しい歴史を伝えていきたい。そして、今も戦争で苦しんでいるたくさんの人々がいるということを忘れず、自分に無理のない範囲で寄付や募金をしたいと思う。

【広島研修を通して】
平和学習に行く前は、戦争は、海外で起きているもので、日本にとっては昔の出来事という認識だった。しかし、この研修を通して、日本や世界で二度とあってはならないことだと思った。私は、原爆があることで、まだ大きな戦争になっていないという緊迫した状況から、原爆も、戦争もない本当の平和な世界になってほしいと思う。

◇みんなが笑いあえる幸せな世界を創るには
弥富中学校　猪飼玲奈(いかいれいな)

【平和記念資料館を訪れて】
平和記念資料館でたくさんの写真や絵、展示を見て被爆者のいろいろな姿を目にし、原爆の恐ろしさや怖さを改めて感じた。原爆を落とされて、たった一瞬で多くの命が奪われたことや、その時は助かってもその後白血病や癌など、原爆の放射線が原因で病気になってしまい、原爆から時間がたっていても亡くなってしまう人もいるということを知った。そして、家族みんなを亡くしてしまい、悲しい思いをした人もたくさんいることを知った。原爆は人々の幸せを一瞬で奪い取ったのだと実感した。もう二度と落とされてはいけないものだと強く思う。

【折り鶴献納を行って】
原爆の子の像の周りには日本各地から集まったたくさんの千羽鶴が飾られてあった。二度と同じようなことが起きないことや、世界から戦争が消え、みんなが笑いあって過ごせる日々がいつまでも続くことを祈りながらお供えをした。

【平和公園を訪れて】
平和公園で一番衝撃を受けたのは原爆ドームだ。原爆ドームは、テレビや教科書などで何度か見たことがあった。しかし、実際に見ると何倍も迫力があり、何倍もあの日の悲惨さが伝わってきた。

【これから私が平和のためにできること】
8月6日、たった一瞬で数多くの死傷者を出した広島の原爆。二度と起きてはいけないと思う。被爆者の方から実際にお話を聞ける貴重な機会は年々減ってきていることを知った。これから平和な世界を創るには、原爆や戦争について知り、家族や友達などたくさんの人に伝えていくことが大切だと思った。

【学習を終えて】
今までは8月6日に原爆が落とされたということしか知らなかったが、2日間の短い時間だったが、平和公園や平和記念資料館の展示を見て、被爆者の方からのお話や被爆ピアノの演奏を聞くなど、多くの新しい学びがあった。今の幸せな日々に感謝をし、国境を越え、たくさんの人が手を取り合って協力し合える世界にしていきたいと思う。

■弥富北中学校
弥富北中学校では、校訓「至誠」のもと、知・徳・体の調和がとれた人間性豊かで実践力のある生徒の育成をめざし、さまざまな教育活動を行っています。今回は今年で20年目を迎える「自問清掃」について紹介します。

◇自問清掃20周年
弥富北中学校では、清掃活動を「自問清掃」と名付け、日々の清掃活動に取り組んでいます。自問清掃では、「根気玉」(進んで清掃に取り組む心)、「親切玉」(人を助けようとする心)、「発見玉」(新しいことを見つける心)の3つの玉(心)を磨いていきます。令和7年度で活動開始から20年目を迎え、在校生だけでなく、多くの卒業生もこの学校で3つの玉を育んできました。
4月には「年輪会」が行われました。2・3年生が1年生を対象に、自問清掃の基本や大切にしたい考え方について説明し、質問にも答えました。また、昨年度の卒業生からのメッセージも伝えられ、自問清掃のバトンがしっかりと受け継がれました。20年の歩みを「年輪」にたとえ、着実に伝統が育まれていることを感じられる会となりました。

さらに5月には、「自問清掃」の伝統をつなぐ「継掃会」が行われました。普段は学年やクラス単位で行う自問清掃ですが、この会では1年生から3年生までが混ざり合い、協力して清掃に取り組みました。清掃後には、同じ場所を担当したメンバーで振り返りを行い、それぞれの気付きや思いを共有しました。こうして得られた学びは、その後の日々の自問清掃にも生かされています。
弥富北中学校の大切な伝統として、「自問清掃」をこれからも力強く受け継いでいきます。