- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県津市
- 広報紙名 : 広報つ! 令和7年11月号
■県内唯一の空港アクセスが築いた20年
津市長 前葉 泰幸
津なぎさまちと中部国際空港を高速船で結ぶ津航路は、今年で20周年を迎えました。港湾施設は県が国の補助金5億円を含む15億円を拠出して整備し、ターミナル・無料駐車場等の整備には市が15億円を投じました。そして高速船は、市が赤塚グループからの寄付5億円と県の補助金2億円を活用して9億円をかけて建造し、運航は津エアポートライン株式会社が担うという「公設民営」でスタート。国・県・市・民が共に築き上げた、新しい形の公共交通の路(みち)です。
この20年間、市は10億円をかけて施設の維持管理を行い、津エアポートラインは燃料費や修繕費など8億円に加え、市への傭船(ようせん)料約1億円を負担。赤字補填(ほてん)を受けることなく、運賃収入で運航経費を賄いながら、公共交通としての使命を果たしてきました。こうして維持してきた津航路は、鉄道よりも速く、安価な空港アクセスとして親しまれ、今では県内唯一の海上アクセスとして、その役割を担い続けています。
そういった中、高速船フェニックスが故障し引退せざるを得なくなりました。大切な航路を未来へつなぐため、津市は国・県と連携し、津エアポートラインと協議を重ねながら、新たな船の導入に向けて再スタートを切ります。皆様に支えられてきた海の路が、これからも暮らしと夢を運び続けるよう、責任を持って取り組んでまいります。
