- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県津市
- 広報紙名 : 広報つ! 令和7年11月号
平成17年2月、中部国際空港の開港に併せて誕生した津なぎさまちと空港を結ぶ「津航路」は、今年4月に累計利用者数500万人を突破しました。津市民をはじめ、県内外の多くの皆さんにご利用いただくこの航路は、三重県における海上アクセスの要として、20年にわたり重要な役割を果たしてきました。
県内では、津航路の開設に合わせて鳥羽航路が開設され、平成18年には四日市・松阪航路も加わりました。しかし、鳥羽航路は平成19年3月、四日市航路は平成20年10月に廃止。津航路の船舶が寄港する形で運航を続けていた松阪航路も平成28年12月に廃止され、現在では津航路が三重県唯一の海上アクセスとして空港への運航を継続しています。
津航路が長年にわたり選ばれ続けている理由には、電車や車と比べた際の所要時間と費用面での優位性があげられます。津なぎさまちから空港まで約45分という短時間での移動が可能であり、ターミナル付近には無料駐車場も完備。さらに、大きな荷物を持った移動でも乗り換えの煩わしさがなく、快適なアクセス手段として高く評価されています。
現在、高速船の更新を迎え、津航路は新たな節目に差しかかっています。今後も、他の移動手段と比べても、便利で快適な選択肢としてあり続けられるよう、運航事業者である津エアポートラインと連携して取り組みを進めていきます。

■津市型の『公設民営』で切り拓いた新航路
津なぎさまちは、国の補助を受けて県が港湾施設を整備し、市がターミナルと駐車場を整備した港です。さらに、寄付と県の補助を活用して市が建造した2隻の高速船を、民間事業者である津エアポートラインが運航する「公設民営」方式により、中部国際空港とを結ぶ「津航路」がスタートしました。
●津市型『公設民営』スタイル 施設の整備
○津なぎさまちの整備
津市:15億円
三重県:15億円(国の補助金5億円を含む)
…計30億円
○船舶の建造(2隻分)
津市:2億円
三重県:2億円(補助金)
赤塚グループ:5億円(寄付金)
・株式会社赤塚
・株式会社赤塚植物園
…計9億円
●津市型『公設民営』スタイル 航路の運営
○津航路の運営・維持
津エアポートライン株式会社:
・運航体制の構築
・運航手続き(許可申請など)
・ダイヤ・運賃の決定
・船舶の維持管理
津市:
・津なぎさまちの利用促進
・ターミナル・駐車場の維持管理
※詳しくは本紙をご覧ください。
■津航路の歩み
空港のない三重県において、県内初の海上アクセスとして開設された津航路。他の航路が次々と廃止される中でも利用者に選ばれ続け、今ではその役割を一手に担う存在となっています。

●ありがとう、フェニックス
今年5月10日、高速船フェニックスの左舷エンジンが運航中に故障し、なんとか津なぎさまちへ帰港しました。フェニックスの設計などを行った日本造船技術センターによると、故障は経年劣化によるものであり、フェニックスのエンジンはすでに生産されておらず部品供給が困難なことから、修繕ではなく新造船の検討を行うことが妥当との意見が出されました。
フェニックスが故障してからは、もう一隻のカトレアのみで運航を継続し、1日あたり7往復の減便ダイヤで対応しています。
現在、フェニックスの代替船舶の運航準備を進めており、後継船の建造について検討しています。
■高速船の利用者※100人に聞きました!
※9月7日に広報課が津なぎさまちで実施したアンケートによる
Q.どちらにお住まいですか?
A.三重県民:91%
津…33%
松阪…32%
伊勢志摩…11%
県内(鈴鹿、伊賀など)…15%
県外・海外…9%
Q.高速船の利用は何回目?
A.リピーター:87%
初めて…13%
2回…24%
3~5回…13%
5~10回…22%
11回以上…28%
Q.また高速船を利用したいですか?
A.利用する:100%
利用しない…0%
Q.もしも津航路がなくなったら?
A.困る/非常に困る:100%
困らない…0%
※詳しくは本紙をご覧ください。
●市民以外からも愛される三重の空の玄関口
・コスパが最高に良い
・乗り換えや段差もなく、荷物が多くても疲れない
・無料駐車場がとても便利
・学割や市民割がうれしい
・海外への玄関口が三重にあることが誇らしい
問合せ:交通政策課
【電話】229-3180【FAX】229-3336
