文化 文化財さんぽ(BUNKAZAI SANPO)Vol.44

■特殊な須恵器埴輪(すえきやはにわ)「茶臼山古墳群出土品」
日永地区の泊村には、5世紀後半から6世紀初めごろに造られた4基からなる「茶臼山古墳群」が所在します。開発に伴い平成5(1993)年に4号墳、同9(1997)年に1号墳の発掘調査が行われ、古墳の墳丘に置かれたと考えられる埴輪や、供えられた土器が出土しました。
埴輪には人物(巫女(みこ))形・家形・馬形・太刀(たち)形などの「形象埴輪」と、器台(きだい)の上に壺を載せた形状の朝顔形を含む「円筒埴輪」があります。巫女形埴輪には目・鼻・耳が表現され、頭部に髷(まげ)が付けられています。家形埴輪には寄棟造(よせむねづくり)の平屋の建物が表現されています。
土器には須恵器の杯身(つきみ)・杯蓋(つきぶた)、高杯(たかつき)、𤭯(はそう)、樽形(たるがた)𤭯、器台、甕(かめ)、壺(つぼ)に加え、県内初出土の台付四連杯(だいつきよんれんぱい)があり多様な器種が見られます。
これら古墳群の埴輪・須恵器は、本市の古墳時代の暮らしの様相を考える上で欠かすことのできない重要な資料として、平成18(2006)年に市指定有形文化財(考古資料)に指定されました。令和8年度には皆さんに見ていただく機会を設けたいと思います。その際はぜひご覧ください。

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