くらし そらんぽへ行こう(Let’s go to SORANPO)Vol.109

■特集展示「大正・昭和のモダンデザイン」を開催
縦15.5cm×横6.4cmの絵封筒。絵封筒とは、封筒の宛名面に木版画で図案をあしらったものです。
当館ではこうした小さな絵封筒を約400点収蔵しています。そのうち「K」などのサインが見られるものは、大正から昭和にかけて京都で活躍した図案家・小林かいち(1896-1968年)がデザインしました。
澄んだ青のグラデーションが美しい「街燈に人物」は、きらめく星空の下、街灯の傍らで一人の人物が佇(たたず)んでいます。シルエットで表された人物は、うつむいている様子。左下へ細く伸びて重なった街灯と人物の影が、作品全体にもの悲しさをまとわせています。かいちなどが手掛けた絵封筒は、当時の女学生を中心に人気を集めました。当館の絵封筒も、かつての持ち主がそうしたように専用のアルバムに1枚ずつ丁寧に収められています。
絵封筒は、12月9日から令和8年3月1日まで博物館3階展覧処・白里亭で開催する特集展示「大正・昭和のモダンデザイン」(観覧無料)で紹介予定です。小さな画面に込められたドラマティックなデザインをご覧ください。

問合せ:博物館・プラネタリウム
(【電話】355-2700【FAX】355-2704)