- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県名張市
- 広報紙名 : 広報なばり 令和8年2月10日号
■協力事業者のおかげで、一歩踏み出せる人がいる
「みんなのチカラで なんとか なるなる なばりです。」
支援対象者が生活を立て直すためには、収入を得るための仕事が大事な要素の一つです。しかし、生活習慣が乱れていたり、コミュニケーションに不安を抱えていたりと、一般的な就職が難しい人もいます。
市内には、そんな人たちの事情を理解した上での雇用や就労体験の場の提供など、支援対象者の自立支援に協力をお願いしている事業者があります。今回はその中の2社にお話を伺いました。
◆有限会社 ウメザワ
「支援対象者に協力するのは、企業として当たり前だと気づいた」
いろいろな事情があって働いていない期間があった人も、今や会社にとってなくてはならない存在。就労を目指す人が、理不尽にはじかれない世の中に。
家庭用木製品などを製造するウメザワには、支援対象者の雇用や、就労に向けた準備をする「就労体験」に協力いただいてきました。そのことを、社長の梅澤尚史さんは「特別なことをしているわけではない」と話します。「就労支援のために支援対象者に協力するのは、企業として当たり前だと思うんです。行政がいくら支援しても、最後は収入を得ないと生活できない。就職の入口を握る企業が、履歴書と面接だけではじいたら、自立が遠のきますよね。『誰でも採用する』のではなく、能力を認める採用の『第2の窓口』が必要だと思います」。
就労支援を当たり前だという梅澤さんですが、最初は「就労支援は大きな会社がやるもの」だと思っていたといいます。社会貢献のつもりで受け入れを決めた梅澤さんの転機は、就労体験で来ていた人を採用できなかったことでした。「真面目に一所懸命に作業をしてくれたので、本当は働いてほしかったのですが、人を雇ったばかりで難しくて…」。体験終了後、その人の行く末を案じるうちに、考えが変化していったそうです。
「どんな背景を持つ人でも、仕事と環境が合えば活躍できます。能力が低いわけではなく、自己表現やコミュニケーションが苦手なだけという人も多いと思うんです。実際、いろいろな事情で働いていない期間があった人や、リタイアした高齢者(最高齢は81歳)も、今では会社に欠かせない存在になっています」と梅澤さんは話します。「就労体験は、履歴書や面接では見えない適性や人となりを知る絶好の機会。より多くの企業が、当たり前に就労支援を採用の場でも活用するようになったらいいですよね」と語ってくれました。
◆有限会社 山名産業
「職場に来たら、いつでも仕事があるよ」
従業員同士で助け合い、どんな人も一人の仲間として自然に受け入れる。そんな空気が、ここにはあります。
スポーツネットの製造などを手がける山名産業には、3人の支援対象者を雇用いただいてきました。「最初に話を聞いた時は、どんな人が来るのかが分からず、戸惑いました」と、代表取締役の山名建次さんは振り返ります。「困っている人のために何かしたいという思いは昔からあったので、見学して本人がやりたいなら、と採用を決めました」。
受け入れるにあたって、特段ルールなどは設けなかったといいます。なぜなら、そもそもの働き方が自由だったから。勤務時間は各自が調整でき、欠勤連絡はグループLINE。今まで受け入れた人たちも、最初は1日1~2時間、週数回の勤務から始めて、自身の体調などに合わせて少しずつ勤務時間を延ばしていったのだそうです。
従業員も、支援対象者を一人の仲間として当たり前に受け入れました。短時間しか働けない人には、周囲が自然にその人のできる作業を残しておくこともあります。支援対象者のことをよく気にかけている、従業員の中田一恵さんはこう語ります。「その人だけを助けようじゃなく、皆で助け合って仕事をしているんです。できない作業があるなら違う作業をすればいいし、長く働けないならそれでもいい。『来たらいつでも仕事があるよ』って言える職場だから、従業員誰もが無理しなくていいんです」。
会社に良い変化もあったといいます。山名さんは、「その人を支えようと、従業員のチームワークが向上。就労支援に関わったことで、今まで接点のなかった福祉関係者とのつながりも生まれました」と話してくれました。
■職場見学や体験の場の提供にご協力いただける事業者を募集しています
人手不足で悩む企業と、現状、一般的な就職が難しい人、お互いにメリットがある取組です。双方が良い形で助け合えるよう、私たちがサポートします。関心を持っていただいたら、ぜひ一度ご連絡ください!
◇講演会「柔軟な雇用から生まれる多様な人材の確保(仮称)」を開催
超短時間雇用など、多様で柔軟な働き方を考えませんか?
日時:3月20日金・祝 10:00~11:30
場所:総合福祉センターふれあい
定員:50人程度(先着順)
講師:東京大学 先端科学技術研究センター 社会包摂システム分野 特任助教 松清あゆみさん
申込:2月20日金9:00~3月17日火に、【メール】[email protected]、ファクス、電話で問合先へ
問合せ:名張市社会福祉協議会(なばり暮らしあんしんセンター)[総合福祉センターふれあい内]
【電話】64-1526【FAX】64-3349
