- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県尾鷲市
- 広報紙名 : 広報おわせ 令和8年1月号
市議会議長 小川公明
明けましておめでとうございます。
市民の皆さまにおかれましては、健やかに新春をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。また、日頃より尾鷲市議会に対しご理解とご協力を賜り、あらためて深く感謝申し上げます。
令和8年の幕開けにあたり、市議会を代表して新年のご挨拶を申し上げます。
本年が皆さまにとりまして希望に満ちた一年となりますことを心よりお祈り申し上げますとともに、議会といたしましても、皆さまからの負託にしっかりと応えるべく、決意を新たにしているところでございます。
昨年は、日本全体、さらには世界規模で「未来への問い」が突きつけられた一年でした。大阪・関西万博が開催され、「いのち輝く未来社会のデザイン」を掲げ、次世代技術や共生の姿が示されました。
空飛ぶクルマやAI技術の急速な進展は、未来像がすでに生活の延長線上にあることを実感させました。
国内では「2025年問題」が現実となり、医療・介護体制の維持や労働力不足といった課題が地域社会にも重くのしかかっています。尾鷲市も例外ではありませんが、悲観するのではなく、変化を直視し、新たな挑戦へ踏み出す機運が芽生えた一年でもあったと確信しております。
昨年6月に実施された尾鷲市議会議員選挙は、まさに市議会の転換点となりました。定数10名のうち5名が新人議員となり、議会の年齢構成は大きく様変わりしました。これまで60代・70代の経験豊富な議員が中心であった構成が、20代から70代までの幅広い世代が揃う形へと生まれ変わったのです。
若い世代の将来への不安と希望、子育て世代が抱える切実な課題、地域を支える働き盛りの世代の視点、そして円熟の世代の知恵と経験。これら、多様な世代の「生の声」が一つの議場で交わされる体制が整いました。 若年層からの代表者が増えたことは、尾鷲の民主主義が新たな段階に入った証でもあります。世代を超えて響き合う議論こそ、今後の市議会の強みになると考えております。
この多世代で構成された新たな議会のもと、私たちは市が抱える喫緊の課題に、多角的な視点から取り組んでまいります。
第一に、防災・減災対策の強化です。
南海トラフ地震への備えは一刻の猶予もありません。津波避難タワーなどのハード整備に加え、多様な情報伝達の確立や避難訓練、防災教育や高齢者見守りの仕組みなど、日頃から備えるソフト対策が着実に進むことが重要です。逃げ遅れゼロの実現に向け、全世代が確実に行動できる防災体制となるよう、市民の皆さまとともに議会として役割を果たしてまいります。
第二に、地域経済と地域産業の再生です。
農林水産業は尾鷲の暮らしを支える基幹産業です。伝統の技を守りながら、新しい技術や販路の工夫、「オーガニックビレッジ」の推進や、J-クレジットによる林業の再生、「春ブリ」のブランド発信や藻も場ば再生など、価値を高め未来につなぐ挑戦が進んでいます。市議会としても、こうした取り組みが持続可能な地域経済の力となるよう最善を尽くしてまいります。
また、火力発電所跡地を活用する「おわせSEAモデル構想」や、自然と共生するゼロカーボンシティの実現に向けた政策についても、若い世代の視点や地域の声が反映されるよう、議会として丁寧な審議と政策提案に努めてまいります。
第三に、子育て・教育環境の充実です。
子育て現役世代の議員が増えたことで、現場の声がよりダイレクトに市政へ届くようになりました。「尾鷲で子育てがしたい」と実感していただける環境づくりに向けて、当事者の視点を市政の議論に確実に反映させてまいります。
また、保育や教育、学びと遊びの機会が途切れずつながるまちを目指し、子どもと家庭を力強く支える仕組みづくりに議会として取り組んでまいります。 議員構成が変われば、議会の姿勢も変わります。しかし「市民の代表」という使命は変わりません。多様な世代・価値観・経験を持つ議員が集うことで、異なる視点が交わり、より健全な政策議論と合意形成が可能になります。市民の多様な声を丁寧に受け止めながら、より良い市政へと導く議会の責務を果たしてまいります。
「不易(ふえき)流行(りゅうこう)」という言葉があります。変わらない本質を守りつつ、新たな変化を恐れず取り入れるという意味です。
尾鷲市が育んできた、自然を敬い、支え合う地域の温かさは守るべき本質です。同時に、時代の変化に対応し、新しい挑戦を受け入れる姿勢も欠かせません。
新しい市議会は、まさにこの精神を体現する存在です。ベテラン議員の確かな判断力と、新人議員の柔軟な発想が融合し、市長をはじめとする執行機関と是ぜぜひひ々非々で向き合いながら、尾鷲の未来を切り拓いてまいります。
市民の皆さまにおかれましては、刷新された議会に変わらぬ期待をお寄せいただくとともに、引き続きのご指導とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
本年が尾鷲市にとって飛躍の一年となり、市民の皆さまにとっても健やかで幸多い一年となりますことを心より祈念申し上げ、新年のご挨拶といたします。
