くらし お知らせします!尾鷲市各会計の決算審査概要(2)

■水道事業会計
経営成績については、収益的収支において、総収益は5億8,425万円で、総費用は、4億5,205万円となり、当年度は1億3,219万円の純利益が計上されています。
業務実績において、年度末の給水戸数は8,691戸で、前年度より110戸減少しています。給水普及率は99.9%で前年度と同様です。総配水量は3,452,179立方メートルで、前年度より91,349立方メートル(2.7%)上昇しています。
有収水量は2,171,985立方メートルで、前年度より82,599立方メートル(3.6%)の減少となっており、有収率は62.9%で、前年度より4.1ポイント低下しています。
本市水道事業においては、令和6年4月より平成23年度以来13年ぶりの水道料金の改定により、費用に見合う適正な料金設定を行い、給水収益において、概(おおむ)ね19%の増収効果となったことは、経営上においても、公平性や受益者負担の観点からも大きな成果と言えます。
ただし、料金算定期間は、概ね3年から5年程度が妥当とされていることから、料金設定の見直しもその期間に合わせて適時行っていくことが必要であります。今後、給水収益等が大きく減少していくと見込まれるため、適正な料金水準について継続して検討していくよう努めていただきたい。
また、人口減少等に伴う給水戸数の減少が続いており、料金収入の大幅な増加が難しい状況が想定される。一方、老朽化に伴う施設の維持管理や更新、改良などに多額の設備投資が必要となることが見込まれることから、近い将来、経営状況が厳しくなることも十分に予想される。
今後も、有収率向上に向けた取り組みと徹底したコスト削減を行うとともに、災害に強い施設整備を実施していくことで、引き続き、安定的な事業経営に基づく安全・安心で安定的な水の供給に努めるよう望みます。

■病院事業会計
経営成績については、収益的収支において、総収益は35億4,758万円で、総費用は42億2,676万円となり、6億7,918万円の純損失が計上されています。これにより、当年度未処理欠損金は、前年度より6億7,918万円増加し17億8,294万円となっています。
業務実績において、入院患者数は40,583人(1日平均111.1人)で、外来患者数は84,933人(1日平均349.5人)であり、入院患者数は前年度より5,527人(11.9%)減少し、外来患者数は628人(0.7%)減少しています。病床利用率は55.8%で、前年度(49.4%)より、6.4ポイント上昇しています。
患者数については、コロナ禍の影響がひと段落しても、入院患者数が以前の状態まで戻っておらず、また、過疎高齢化に伴う医療圏人口の減少等により、昨年度を下回る結果となりました。特に新型コロナ感染症対策等に係る補助金の削減の影響を踏まえ、現状の医業収支に鑑みると、今後も厳しい資金繰りとなることが推測されます。
県の地域医療構想において、東紀州地域における「医療需要」と「病床必要数」等の推計が示されたことを踏まえ、令和6年度から4年間の「尾鷲総合病院経営強化プラン」を策定し、医療圏人口の減少を踏まえた病床数の削減、医療知識・経験が豊富なプロパー(生え抜き)職員の育成、医療機器の更新や施設整備等の投資の制限等の経営強化に取り組まれています。
同プランに掲げられている地域医療における公立病院としての役割を果たし、患者や地域との信頼を築き、安心と満足の得られる医療の提供を推し進めるという基本方針に今一度立ち返り、職員一丸となって病院事業の経営強化を図るよう取り組まれることを望みます。

※端数処理の為、他のページと数字は一致しない場合があります。

お問い合わせ:監査委員事務局
【電話】23-8150