くらし 人権文化の花を咲かせよう Vol.238

■多数派・少数派
この言葉から、どんなことを想像しますか。たとえば、右利きと左利き、男性と女性、日本人と外国人など。どちらが多数派でしょうか。そして自分はどちらに属しているのでしょうか。
英語では、多数派はマジョリティ(majority)、少数派はマイノリティ(minority)です。majorは(主要な・より重要な)、minorは(あまり重要でない・たいしたことがない)という訳がつきます。「多数派=主流派」「少数派=非主流派」という見方もあります。しかし、人権という視点で考える時、多数派も少数派もないのではないでしょうか。
マジョリティとは、数の多さだけでなくその属性においてより強い立場にいて、より多くのパワーを持っている側を指します。たとえば、日本社会において日本人であることはマジョリティに属することであり、さまざまな特権を有しているといえます。
「マジョリティ特権」という言葉があります。あるマジョリティ側の社会集団に属していることで、苦労なく得ることのできる優位性を指します。特権は、性別・性的指向・社会階層・障がいの有無などの属性において、マジョリティ側にいる人に自動的に付与されます。しかし、マジョリティ側はそれを自覚しづらく、一方でマイノリティ側の方がマジョリティ側の特権が見えているという特徴があります。
今、私たちが生きている社会はマジョリティを中心に作られたもので、その中で暮らしていると意図せずに差別に加担していってしまう構造があると言われています。
少数派の人権が制限されたり、多数派による少数派への人権侵害が起こったりすることがないようにしなければなりません。平等に公平にすべての人の人権を守っていくために、まずは異なる立場の人のことを「自分ごと」として想像してみることから始めたいと思います。

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