- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県伊賀市
- 広報紙名 : 広報いが 2025年9月号
現代でも俳句を清書するときは短冊を使うことがあります。芭蕉さんも生涯のなかで多くの短冊を書いたようです。『奥の細道』にも、現在の栃木県那須町にある殺生石(せっしょうせき)という名所を訪れたときに、馬を引いた男が「短冊に一句書いてくれ」と頼んだエピソードが載っています。短冊は長方形の紙(縦約35cm、横約5cm)で、和歌や俳句を書くためのものです。鎌倉時代から歌会などで使われ、江戸時代には、俳句を人に贈るときの最も一般的な方法になっていました。
芭蕉さんの周りには、短冊コレクターがいたようで、弟子や知人などの句が書かれた短冊を、芭蕉さんが懸命に集めてプレゼントしています。なかでも、現在の愛知県名古屋市にある鳴海の庄屋だった下里知足(ちそく)は熱心で、芭蕉さんが弟子だけでなく他門の宗匠にもお願いして短冊に句を書いてもらっていたことが、芭蕉さんの手紙からわかります。短冊を通して芭蕉さんの意外な一面を知ることができます。
◆芭蕉翁記念館企画展「俳人たちの絵」開催中
9月15日(月・祝)まで
◆ギャラリートーク
9月6日(土)午後1時30分~(要入館料)
◆第79回芭蕉祭特別展「芭蕉―時雨に生きる」開催予定
9月20日(土)~12月23日(火)
問合せ:
・文化振興課【電話】22-9621【FAX】22-9619
・芭蕉翁記念館【電話】21-2219