- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県東員町
- 広報紙名 : 広報とういん 令和8年1月号
■今の子どもたちの声を聴く 今後大事にしていきたいこと
加藤:当時「東員町子どもの声アンケート」を行いましたが、10年経ってまたアンケートをとりました。10年前は2,213人、今回は2,225人の回答がありました。みんなが考えた条例の前文を覚えていますか?その中に「東員町子どもの声アンケートの結果で、『家族に大切にされていると思いますか』という項目では、2,213人中20人の人が思わないと回答しています。このような状態で、本当にいいのでしょうか。」とあります。10年経って、どうなったと思いますか?結果は2,225人中17人。少し減りましたが、まだ17人の子どもが家族に大切にされていない状況が、子どもの声から分かります。
他にも「あなたの住んでいるところで、困ったときに助けてくれる人がいますか?」という質問。10年前は2,213人中107人がいないと答えていますが、今回は2,225人中72人。また、私が一番大切だと思う項目で「あなたに安心できるところがありますか?」。10年前は2,213人中252人がないと答えましたが、今回は2,225人中45人。まだ45人の子どもが安心できる居場所がないと答えているけど、随分環境が変わりました。特に学校が。あとは東員町という地域。全国学力・学習状況調査の中に「地域の行事に参加しますか」という質問があって、東員町は県内や全国の結果より圧倒的に高い。子どもたちにとって住みやすい町なんだと思います。また「東員町は、子どもの意見や考えを聴いて、まちづくりに活かしてていると思いますか?」。10年前は2,213人中227人があまり思わない・思わないと回答しました。今回は2,225人中179人。この項目で注目したいのが、わからないと回答した子。10年前は935人いましたが、今回は610人。だいぶ減りました。
私は、東員町は子どもをすごく大事にしている町だと思います。この条例を作っただけではなく、毎年11月20日を「とういん子どもの権利の日」と定めて、その日を含む1週間を「子どもの権利を考える週間」としています。この期間に合わせて、学校では先生が、子どもの権利や人権について考え合う授業をしています。私も以前、中学校に行って子どもの権利について話をしたことがあります。その時に話したのは部活動のこと。そもそも部活動は生徒たちが切磋琢磨して目標に向かって成長していくもので、目標に到達するためのルートや方法を自分や仲間と一緒に考えて、ときには先生の力を借りるもの。だから「部活動は自分たちで考えなよ」と話しました。大人はもっと子どもの力を信じて、失敗してもいいから子どもが自分で考え、自分で決めて取り組む機会を与えましょうって。
北岡:教育学を学んでいた時に、小学校や中学校のクラスの班決めは先生が決めなさいと習いました。そうすると先生が授業を進めやすいから。でも私が中学生のときも、実習に行った小学校でも、子どもたちで決めていました。
加藤:先生が決めてしまえば、うまくいくことが多い。でも子どもたちでやると、うまくいくこともあれば、いかないこともある。うまくいかなかったときは前の失敗を活かして、次の班決めで話し合いをする。それが成長だと思うので、子どもたちに任せていくことが大切ですね。
最後に、子どもの権利がこれまで以上に尊重され、町民一人ひとりが愛し愛される町になるために、この先10年どんなことを大事に、大切にしていけばいいか。未来に向けて、みんなで大事にしたいことや自分はこんな風に生きていきたいみたいな宣言でもいいので、教えてください。
宮﨑:この23年間多くの人から、たくさんの良いものをもらってきたので、これからの人生はいろいろ人に与えられるような人になりたいです。
西岡:人間関係は、最初は挨拶から始まると思うので、町にいても、職場にいても、どこにいても、自分から挨拶をして、関係を築いていきたいです。
北岡:東員町に帰ってきて最初に驚いたのが、中部公園がまだ綺麗だったこと。整備も大変そうな大きい公園を残してくれていることに感動しました。自分自身の行動というよりは東員町へのお願いですが、公園の整備や登下校時の横断歩道で守ってくれるボランティアなど、子どもの安全で安心な居場所づくりと遊びに、ぜひ時間とお金を使っていただきたいです。
山野:自分が愛されて育ってきた分それを子どもに返して、子どもたちが「愛されているな」と実感できるような先生でいたいです。
梅村:空手で教えていることは、挨拶を大事にすることと、常に相手のことを思って礼儀正しく接すること。自分自身も意識して、自分の姿を見て学んでもらえるような人間になりたいです。
加藤:ありがとうございます。「愛し愛される町」と言うのは簡単だけど、イメージするのは難しいと思います。私自身がイメージしているのは、みんなが笑顔になること。笑顔いっぱいの町が、愛し愛される町だと思います。私が宣言するのは「話すことよりも聴く」ということ。この姿勢をしっかり持って、子どもたちや職員と向き合っていこうと思います。
町長:今日は良い話をたくさん聞かせていただきました。今東員町が取り組んでいるのが、子育てのまち、教育のまち。君たちが小学校・中学校に通っていた時と変わりません。そうしたまちづくりを進めていく上で、子どもたちの権利についてこの町に住む人、関わる人が当たり前に知っていることがとても大切です。子どもの権利条例は、東員町のまちづくりの基礎とも言えます。この先も、この条例のことをさらに多くの人に知ってもらいたいと思います。また、東員町は文化のまちとしても知られています。世界では、領土や資源、経済を巡り、エネルギーの奪い合いが続いています。しかし「文化」というエネルギーは誰ひとり傷つけません。東員町で老若男女問わず活発に行われている文化芸術活動や三大文化事業(こども歌舞伎、東員ミュージカル、東員日本の第九)といった「文化」の持つ「他者を受け入れ尊重する」という力は、人権や権利の考え方に通じるものです。東員町の取り組みが世の中の平和につながるといいなと思っています。
