くらし 新春対談 内閣府 事務次官井上裕之 × 菰野町長諸岡高幸(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県菰野町
- 広報紙名 : 広報こもの 令和8年1月号
■地方創生への思い
諸岡町長(以下、諸岡):本日はどうぞよろしくお願いします。
井上事務次官(以下、井上):よろしくお願いします。
諸岡:私は、生まれてから一度も菰野町から出ていなくて。昭和45年に役場に入り、途中で4年間だけお休みをいただきましたが、町長になるまで51年間勤めさせていただきました。本当に暮らしやすい町ですからね。
井上:私は小学4年生の時に菰野小学校に転校してきました。当時は木造の建物でしたが、私が入学した直後に新しい校舎が建てられたんです。ですから、今の校舎を使った最初の児童の一人だったんですよ。
諸岡:菰野小学校は今も千人以上の児童が通い、児童数は増加しています。しかし、町全体では2018年頃から人口減少の波にのまれています。そして、地震や火事などの災害が起こった時の助け合いといった「繋がり」が希薄になってしまうことを一番懸念しています。そこで、今年私が掲げた目標は「繋がりと連携」です。思いを持つ町民の方はたくさんいらっしゃるのに、横の繋がりとして集まりづらい状況があります。どうすれば町全体の活力を生み出せるのか、町が元気になるのか、これが大きな課題であると考えています。
井上:人口減少はまさにこの国が抱える最大の課題です。これから20年間で、生産年齢人口(15歳から64歳)が1500万人も減るという予測があります。一方、高齢化に伴う医療・介護の負担はこれからもどんどん増え続けるでしょう。この厳しい状況をど
うにかしようとするために鍵となるのが地方創生だと思っています。
諸岡:高齢者だけの世帯や空き家が増えてきて、地域コミュニティが希薄になってきている現状が、菰野町の良さに影を落としているように感じます。老人会などが残っているうちに、それをしっかり残すようなまちづくりをしないといけないなと思います。
井上:つきあいが減ってしまうのを放ってはおけません。リーダーになるような人を養成したり、地域と一緒にイベントを行ったりして、町が主体となってどんどん働きかけるべきですね。地方創生とはトンカチで建物を作れば良いというものではなく、「地域を良くしよう」「世代を超えて一緒にやってみよう」といった地域力、運動力を高めることが本質です。特に女性や若者に「この町に住もう」「この町で頑張ってみよう」と思ってもらえるにはどうしたらいいかをみんなで知恵を出し合い、行動することが大切です。菰野町は豊かな自然がありながら生活にも便利なとても魅力的な地域です。だからこそ、繰り返しになりますが、特に女性や若者に「ここで働きたい」「ここに住みたい」と思ってもらえるような地域にすることが重要だと感じています。
諸岡:それと今、財政が厳しい状況ですので、いかにしてお金を儲けるかということも考えています。例えば「ふるさと納税をやりきるぞ」と職員にも呼びかけました。
井上:今の世の中、何が注目を集めるかわからないので、覚悟を決めて進めていくことが大切だと思います。また、業務が多岐にわたることから職員の負担が増えてきている現状もあります。人が減っているからこそ、一人ひとりが最大限かつ楽しく力を発揮できるようにする必要があるでしょう。町役場の組織においても人材育成が大事になってきます。
諸岡:人材育成の一環として、今年の4月から経済産業省に職員を1名出向させています。
井上:ぜひ、内閣府にもお願いしたいですね。
諸岡:こちらこそぜひお願いしたいところです。
井上:一度、中央省庁に来ていただくと、いろいろな体験ができると思いますよ。
◆菰野町から経済産業省へ出向中 商務情報政策局 情報技術利用促進課 大島拓也(おおしまたくや)
経済産業省では、突出したIT人材の発掘・育成を行う「未踏事業」に関する業務を担当しています。民間企業や大学教授など、様々な業界・立場の方と関わる機会が多く、とても良い経験をさせていただいています。経済産業省に出向すると聞いたときはとても驚き不安もありましたが、今は充実した日々を過ごしています。
出向先の部署には私のように他の自治体や民間企業から来た人が多いので、それぞれの出向元のことを話すたびに新しい発見があって楽しいです。出向を通して学んだことを菰野町に戻ったときに還元できるようにこれからも頑張ります。
