- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県紀宝町
- 広報紙名 : 広報きほう 令和8年1月号
近年、町では「紀宝町で暮らす」という選択をする移住者が少しずつ増えています。
おだやかな気候や豊かな自然、顔の見える人とのつながりがあるこの町は、「帰る場所」としての魅力を感じさせてくれます。
仕事や子育て、暮らし方の価値観が大きく変わる現在、安心して住める環境や、懐かしさと新しさが共存する心地よさを求めて紀宝町に移り住む人たちがいます。
今回の特集では、紀宝町を選んだ移住者の声や移住に関する支援制度などをご紹介します。ぜひ、町の魅力を感じてみてください。

図:紀宝町への移住者数(町支援制度を利用し転入された方)
【01 移住者の声 REAL VOICE】
◆「いつか」を「いま」に変えた移住
○年齢や家族構成の変化をきっかけに移住を考えるように
移住前は、主に東京で仕事をしながら家族と暮らしてきました。妻の実家が紀宝町にあり、以前から「いつかは東紀州地域で」という思いは抱いていましたが、当時は仕事や生活の面から、まだ現実的な選択肢とは言えませんでした。
移住を考え始めたのは、年齢や家族構成の変化をきっかけに、これから先の暮らしや働き方を見つめ直すようになったことです。ただ、地方での暮らしに対する理想だけで決断することには迷いもありました。そこで、実際に足を運び、見て、聞いて、考える時間を重ねたことで、移住を決断しました。
移住前は、仕事や住まいに対する不安もありましたが、実際に移り住んでみると、地域の温かい人間関係や防災活動、子育て環境の充実に安心し、少しずつ地域に溶け込みつつあります。また、地域のイベントなどにも積極的に参加し、交流を深めていきたいと考えています。
今後は前職の経験を活かしながら、地域を支える取り組みに、自分ができる範囲で関わっていけたらと思っています。日々の活動を通じて、農業をはじめとする田舎暮らしなどについても、地域の方々に教えてもらっています。
[PROFILE]
鵜飼 尚史(うかいひさし)さん
東京都→紀宝町井田
移住の時期:令和7年11月
家族:妻、子ども2人
[MESSAGE]
Q.移住に悩んでいる人に一言
都市にも地方にも、それぞれのよさがあります。人との距離感や世代を超えた関わり、地域ならではの魅力は実際に触れてこそ分かるものです。移住に迷ったら、週末や短期間でも地域に入り込み、暮らしを体験してみることをおすすめします。
【02 移住者の声 REAL VOICE】
◆この町で、もう一度歩き出す
○動ける今を選び、たどり着いた場所。人のぬくもりに包まれて
私たちは、夫が高知県、私が徳島県の出身で、名古屋市で出会い結婚しました。結婚後は愛媛県に移り住み、その後、名古屋に戻って長く暮らしてきました。名古屋では、夫が自治会長を33年、私も民生委員を16年務め、地域の中で多くの方と関わってきました。
移住を考えるようになったきっかけは、家族のできごとと年齢です。「今動かなければ、この先は動けない」と感じ、思い切って環境を変える決断をしました。
紀宝町を知ったのは、移住に関する情報がきっかけで、正直、最初は不安もありましたが、実際に来てみると人の温かさに驚きました。
特に心強かったのが移住者交流会です。顔見知りができ、イベントなどで声をかけ合える関係が生まれ、「一人じゃない」と感じられたことは大きな支えでした。今では、地域の方に行事や暮らしのことを教えてもらいながら、自然に溶け込めていると感じています。
現在は、防災や地域活動にも関わらせてもらい、少しでも地域の役に立てたらと思っています。自然が豊かなところや人の距離が近いこの町で、無理をせず、自分たちらしく暮らしていきたいです。
[PROFILE]
森下 昇造(もりしたしょうぞう)さん 香苗(かなえ)さんご夫婦
愛知県→紀宝町平尾井
移住の時期:令和5年8月
家族:孫、妻の母、猫
[MESSAGE]
Q.移住に悩んでいる人に一言
紀宝町は自然の豊かさと人の温かさがあり、移住者を支える制度や交流の場も整っています。
仕事や家族、これからの暮らしを見つめ直し、自分らしい人生設計を描ける場所。迷っているなら、まずは一度訪れてみてください。
【03 移住者の声 REAL VOICE】
◆空き家から始まる、わたしの移住ストーリー
移住する前は、古民家をリノベーションした観葉植物店で働いており、その経験から空き家や古民家に興味を持つようになりました。
さらに、畑をやってみたいという想いが芽生え、よりゆったりとした地域での暮らしを意識するようになりました。そうした中で空き家バンク制度を知り、物件を調べるうちに、紀宝町の空き家対策に関わる地域おこし協力隊の募集と出会い、移住を決意しました。
初めて訪れた紀宝町は、海と山が身近にあり、自然との距離がとても近い町でした。時間の流れがおだやかで、人の温かさを感じたことが印象に残っています。
実際に暮らしてみると、DIYで少しずつ家に手を入れながら、自分らしい住まいをつくっていく楽しさがあります。一方で、冬の寒さや虫との付き合い、車中心の生活など、都市部との違いに戸惑うこともありました。
それでも、近所の人が気にかけて声をかけてくれる距離感は心強く、安心して暮らせる要素の一つです。
空き家バンクは、「人と地域をつなぐ仕組み」です。迷っている方は、まず相談し、実際に足を運んで、町の雰囲気を感じてほしいです。
[PROFILE]
三浦 萌(みうらもえ)さん
神奈川県→紀宝町鮒田
移住の時期:令和5年6月
仕事:地域おこし協力隊
◆空き家バンクイメージ図

※交渉や契約を当事者同士で行う直接型か、仲介業者を介して行う間接型を選択できます(間接型は成約時に仲介手数料が発生)。
◆貸主の声
三浦さん居住物件の貸主
山上 智英(やまがみともひで)さん
両親が紀伊半島大水害を機に新宮へ転居したため、住んでいた家が空き家になりました。掃除や庭の手入れを続ける中で町のホームページから空き家バンクを知り、放置せず活用できないかと考えました。
空き家のままでは維持費や管理の負担がかかりますが、賃貸にすることで家も長持ちし、収入にもつながります。
現在はよい方に借りていただき、DIYなどで手を加えながら大切に使ってもらい、家もきれいな状態を保っています。空き家は放置せず、貸して活用する方がよいと感じています。
