くらし 巨大地震に備える。

8月8日、宮崎県日向灘沖で発生した最大震度6弱の地震を受け、気象庁から初めて「南海トラフ地震臨時情報」が発表されました。本市は、南海トラフ地震防災対策推進地域には入っていませんが、ひとたび地震が起きると最大震度5強の揺れが想定されています。これは、中丹地域で震度4程度を観測した阪神・淡路大震災を超える規模。大地震はいつ来るか分かりません。自分や家族の身を守るため、日頃の備えを確認しましょう。

■30年以内の発生確率70パーセント以上
南海トラフは、駿河湾(静岡県)から日向灘沖(宮崎県)までのフィリピン海プレートとユーラシアプレートが接する区域をいいます。二つのプレートの境界では、海側のフィリピン海プレートが陸側のユーラシアプレートの下に1年当たり数センチメートルの速度で沈み込み、ひずみが蓄積されています。このひずみが限界に達し、プレートが跳ね上がることで繰り返し発生する大きな地震が南海トラフ地震です。
歴史をさかのぼると、南海トラフを震源とする地震は約100〜150年間隔で起こっています。前回の南海トラフ地震(昭和19年の昭和東南海地震と昭和21年の昭和南海地震)から80年以上経過した現在、今後30年のうちに発生するとされる確率は70パーセント以上。いつ大規模地震が来てもおかしくないことを意識しておく必要があります。

◇南海トラフ地震臨時情報
南海トラフ沿いで異常な現象が観測され、地震発生の可能性が相対的に高まっていると評価された場合などに、気象庁から発表される情報

◇南海トラフ地震防災対策推進地域
南海トラフ地震で、震度6弱以上の揺れや高さ3メートル以上の津波の恐れなどがある市区町村

■南海トラフだけじゃない私たちに身近な「上林川断層」
上林川断層は、市内を流れる上林川と並行するようにおよそ26キロメートルにわたって存在しています。これまでに活動したという記録は残っていませんが、地震が発生すれば最大震度7を観測するといわれています。
(※詳細は本紙をご参照ください。)

■日頃からの備えを再確認
◆家具の転倒防止
・寝ているときに体の上に家具が倒れたり、テレビ等が落下したりしないように配置を工夫
・避難経路となる部屋の出入り口付近に家具を置かない
・転倒防止器具を使って家具を固定。食器棚などは、揺れで扉が開かないようにする

◆木造住宅の耐震化
大地震に備え、家屋の地震対策を進めましょう。能登半島地震では、激しい揺れで木造住宅の倒壊が相次ぎました。市は、住宅の耐震化に対する補助を行なっています。耐震に関する相談は建築課【電話】42-4287へ。

◆一人にひとつ用意非常持ち出し袋
▽非常食
火を通さずに食べられる缶詰や乾パンなど

▽救急医薬品
傷薬、ばんそうこう、風邪薬、常用薬、お薬手帳など

▽貴重品
多少の現金、預貯金通帳、印鑑、健康保険証、マイナンバーカードなど

▽日用品
懐中電灯(予備の電池も)、FMが聞ける携帯ラジオ、歯ブラシ、マスク、ティッシュ、下着類、軍手など

◆最低3日分の備蓄
大規模災害時は、公的物資の支給に時間がかかる可能性があるため、最低3日分を目安として食料や飲料水、日用品を確保。断水や配管の損傷により、自宅のトイレが使えなくなることがあります。1日当たり5回×家族の人数分の災害用トイレも備蓄しておきましょう。

◆防災・危機管理課
小松佳南
非常持ち出し袋の中身や備蓄品は、使用期限や消費期限が切れていないか定期的に点検しましょう。冬には、大雪による停電や、積雪で家から出られなくなってしまうことも考えられます。寒さ対策など、冬の災害にしっかりと備えておきましょう。

■防災トピックス
◇大規模災害時の連携を確認 近畿府県合同防災訓練を実施
総務省消防庁、府、綾部市、福知山市、舞鶴市は10月26日と27日の両日、令和6年度近畿府県合同防災訓練を福知山市などで実施しました。訓練は、大雨が続く中、福知山市を震源とする震度6弱の地震が発生したと想定。近畿2府4県と福井県、三重県、徳島県から自衛隊や消防など約100機関、2,200人が参加し、救出訓練や消火訓練、避難所運営訓練などを行いました。

◇府内初!AR技術を活用した防災訓練機器を導入
市はこのほど、消防本部にAR(拡張現実)技術を活用した防災訓練機器を導入しました。専用のゴーグルを着用することで、職場など実際の景色に火災の煙や炎が重なって見え、リアリティーのある消火体験をすることができます。導入金額は約150万円。消防職員立会いのもと、事業所や自治会等での訓練指導、講習会などで活用します。

問合せ:消防本部予防課
【電話】42-0119