くらし 明日から使える 宇治のお茶のイロハ(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 京都府宇治市
- 広報紙名 : 宇治市政だより 広報うじ 令和7年11月1日号
[The ABCs of Uji tea]
宇治茶は有名だけど、どうやって宇治茶が作られるか知っていますか。みんなに話したくなる「宇治のお茶」のキホンを紹介します。
[1]渋みを押さえる覆下栽培
覆下栽培(おおいしたさいばい)発祥の地である宇治市では、主に碾茶(てんちゃ)(抹茶の原料)と玉露が生産されています。この両茶種は新芽の時期に日光を遮るために茶園に覆いを施します。日光を遮ることで、渋みが少なく、うま味を多く含んだ茶葉へと成長させる効果があります。覆いの方法には、わらとよしずを利用した伝統的な「本(ほん)ず」による被覆と、化学繊維を利用した「寒冷紗(かんれいしゃ)」による被覆があります。4月から5月にかけて、宇治市内では茶園がすっぽりと覆われる独特の景観が見られます。
[2]うま味を多く含む一番茶
4月下旬から5月下旬までに出た新芽を「一番茶」といい、新芽を摘んだ後も新しい芽(二番茶や三番茶)が出てくるので一般的には1年に2、3回お茶摘みが行われます。しかし、宇治市では春先に萌え出た「一番茶のみ」を手で摘み取り、二番茶や三番茶は摘み取りません。一番茶は、葉がやわらかく、うま味成分のアミノ酸を多く含んでいます。
[3]確実に新芽を摘む手摘み
宇治市の多くの茶園では、お茶摘みさんが新芽を手で摘む伝統的な「手摘み」が今も行われています。手摘みは、人の目で見て新芽だけを摘むことができるため、一葉一葉丁寧に摘み取られて製造される碾茶や玉露は、高級茶と呼ぶにふさわしいものとなります。
市では、市制施行記念式典で通算30年以上お茶摘みに従事され、市内生産者からの推薦がある現役の方に対して感謝状を贈呈しています。
伝統的な手摘みを担うお茶摘みさんですが、年々成り手が不足していっています。お茶摘みさんとして働きたい方と茶生産者をマッチングする制度として、「お茶摘みバンク」を開設しています。興味のある方はぜひご登録ください!
■宇治のお茶の味の特徴
宇治のお茶は、この様な特徴的な栽培方法や収穫方法によって、渋みが少なく、うま味の強いお茶になるんだね。また、イベントで宇治のお茶の試飲が出来るみたいだよ。みんな来てね!
◇「うーちゃフェスタ」
日時:12月14日(日)午前10時~午後3時
場所:生涯学習センター/産業会館
■一服まめ知識
Q.碾茶の木や玉露の木があるの?
A.緑茶の中には碾茶・玉露・煎茶など様々な種類がありますが、基本的にもとは同じ茶の木です。栽培方法や摘み取った後の加工方法で、碾茶や玉露などの種類が決まります。実は紅茶や烏龍茶も、同じ茶の木です。
■美味しいお茶の淹れ方(京都府茶業会議所提供)
◇玉露の淹れ方(3人分)
・急須・茶碗湯
・冷まし、またはマグカップ
・大さじ、または軽量スプーン
(1)沸騰したお湯60~70ccを湯冷ましから急須に入れます。さらに茶碗に注ぎ、約40℃(人肌程度)~60℃になるまで冷まします。
※器を移すたびに、約5℃~10℃、下がります。
(2)急須に茶葉を10g(大さじ山盛り2杯程度)、入れます。湯冷ましした茶碗のお湯約40℃(人肌程度)~60℃を急須に入れます。
(3)ふたをせずに、茶葉の動きを眺めてください。
※ふたをして茶葉の浸出を待つ淹れ方もあります。
1分ほどすると茶葉がお湯を吸って、うす緑色に変化します。出し頃は1~2分位です。
(4)お茶を急須から茶碗に回し注ぎをして濃さが均一になるようにします。二煎目以降は、お湯の温度を上げて待つ時間を短くします。
三煎目も十分おいしくいただけます。
※詳しくは本紙またはPDF版をご覧ください。
