くらし 明日から使える 宇治のお茶のイロハ(2)

[Other information]

■市内産宇治茶は全国で評価されています 全国茶品評会について
全国の生産者がお茶の出来栄えを競う「全国茶品評会」が毎年開催されています。品評会の審査方法には、「外観(茶葉の見た目)」と「内質審査」があり、内質審査には「香気(お茶の香り)」「水色(お茶の色)」「滋味(お茶の味)」などの項目が審査されます。

何人もの審査員が何度もお茶の香りを嗅いだり飲んだりし、選考していきます。

茶種ごとに最も優秀な成績を収めた市町村には「産地賞」が授与されます。宇治市はてん茶の部において、今年も「産地賞」を獲得し、過去55回獲得(受賞率約90%)しています。

■もっと宇治茶を知りたい人はこちらへ お茶と宇治のまち歴史公園 茶づな
約400年前、豊臣秀吉が伏見に陸路と水路を集約するために築いた「宇治川太閤堤跡」が残る“お茶と宇治のまち歴史公園”。公園内にある茶づなには、宇治の歴史や文化、お茶について学べるミュージアムのほか、庭園や展望テラス、レストラン、ショップがあります。茶臼から抹茶づくりなどの体験プログラムも楽しめます。

住所:莵道丸山203-1
【電話】24-2700
入場料:ミュージアム
・一般 600円
・小人(小・中学生) 300円
体験は別途有料
時間:9:00~17:00(ミュージアム最終入場 16:30)無休

今年度行われた第79回全国茶品評会及び第77回関西茶品評会のてん茶の部で、宇治市が「産地賞」、市内生産者が「農林水産大臣賞」のダブル受賞を達成できましたことは、生産者の皆様のご努力の賜物であり、敬意を表するとともに心から感謝申し上げます。
宇治茶は宇治市の象徴であり、まさに日本茶のトップブランドとして認知されています。生産者の皆様は長い伝統のうえに新たな工夫を重ねられながら、最高品質のお茶づくりを追求されており、こうした日々のたゆまぬ努力が宇治のお茶の確固たる評価につながっています。
宇治市では、伝統的な手法を守り継承するとともに、高品質茶の生産を推進するため、宇治茶製法の特色である「手摘み」「覆下栽培」を支える茶生産者への支援や、お茶摘みバンクの開設をはじめとするお茶摘みさんの確保対策を今年度はさらに充実させるなど、各種茶業振興策に積極的に取り組んでおります。
今後も宇治のお茶の振興・支援に取り組むとともに、魅力や情報の発信に努め「お茶のまち・うじ」を未来へ引き継いでまいります。
宇治市長 松村 淳子(まつむら あつこ)

[Interview]

■宇治茶×野菜の可能性
宇治といえば、まず思い浮かぶのは「宇治茶」。その宇治茶を野菜栽培に取り入れるという新しい挑戦が市内で始まっています。伝統を守りながら、新たな可能性を切り拓く小山農園の小山さんに、その取り組みについて伺いました。

◇気がつけば畑しごと
農家の息子であったこともあり、気づけば自然と農業を始めていました。最初は祖父に教わり畑しごとを覚えていきました。祖父は口数が少なく、自分が農業を始めたことについても何も言いませんでした。それでも毎日の作業の中で、苗の扱い方や土の様子など、自然と学んでいきました。やがて数年が経ち、祖父が「孫が農業を継いでくれたことが本当に嬉しい」と周りに話していると耳にしました。そのとき初めて、祖父の気持ちを知り「本気で農業をやっていこう」、そう心にスイッチが入りました。今では、祖父から受け継いだ思いを大切にしながら、自分らしい農業の形を模索しています。

◇鮮度を大切に
米や野菜をつくっています。夏は万願寺とうがらしやきゅうり、冬はブロッコリーやほうれん草など、旬のものを大切にしています。私が一番大切にしているのは「鮮度」です。見た目よりも新鮮さを大切にしていて、出来るだけ朝一番に収穫して、お昼までに届けるようにしています。その方が野菜の味も香りも違うと思います。

◇宇治のブランド野菜をつくりたい
宇治の野菜と聞かれても、正直これといった特徴がないんですよね。だから、新しいことにチャレンジしてみようと思ったんです。宇治には宇治茶という素晴らしい特産品があるので、これを野菜づくりに活かせないかと考えました。具体的には、本来は廃棄される茶葉を土に混ぜたり、水の代わりに何回か宇治茶を与えたりするんです。香りや味にどんな変化が出るかはまだ分かりませんが、やってみないと何も始まらないので、手探りでも挑戦し続けることが大事だと思っています。まずは、万願寺とうがらしから試してみました。これからブロッコリーやほうれん草でもチャレンジして、品種ごとにどんな特徴が出るかを見ていきたいです。もしこれが形になったら、出来れば、多くの農家さんにも取り組んでもらい、宇治ならではの“宇治ブランド野菜”を一緒に育てることで、宇治茶の発展に一部でも寄与出来れば嬉しいです。

◇地域に美味しいを届けたい
昔は「ただ野菜をつくるだけ」だったのですが、今は「人のために育てたい」という思いを大切にしています。月に一回、他の農家さんからも野菜を提供していただきながら、こども食堂を開き、こども達が笑顔で野菜を食べてくれる姿を見せてもらっています。また、地域の学校で授業のお手伝いをするなど、畑の外でも地域に関わることを大事にしています。やはり「美味しい」と言ってくださる声が一番のやりがいです。これからも、地域に喜んでもらえる農業を続けていきたいと思います。

問合せ:農林茶業課
【電話】20-8723