文化 《特集》時を刻む京田辺の名宝~市文化財指定制度50周年記念~(1)

今年度、市文化財指定制度が誕生して50年の節目を迎えたことを記念して、今号では市内の貴重な文化財を紹介します。

■文化財の区分
文化財には、文化財保護法に基づき国が指定(登録)することで保存や活用を図るものや、府や市などの地方自治体が制定する条例に基づき保護を図るものがあります。歴史が深い本市はたくさんの文化財を有しており、左表のとおり区分されます。

◆国指定
◇木造一休和尚(いっきゅうおしょう)坐像(ざぞう)(室町時代)
~一休さんの髪の毛が植え付けられていたと伝わるよ~
一休禅師が自分の頭髪・眉・口ひげ・顎ひげを抜いて植え付けたといわれる珍しい像。
場所:酬恩庵一休寺(薪)

◇木造千手観音(せんじゅかんのん)立像(りゅうぞう)(平安時代)
~昼と夜で表情が変わるよ~
・昼は厳しい顔
・夜は穏やかな顔
木造千手観音立像は、大阪の「葛井寺(ふじいでら)」と奈良の「唐招提寺」の観音とともに、実際に千本の手を持つ観音として三大傑作の1つとされています。
光が正面から当たって口や目の彩色がはっきり見える厳しい「昼の顔」と、上からの柔らかい月光によって彩色がほとんど見えなくなる穏やかな「夜の顔」の2つの表情を見せてくれます。
像高:約182cm
場所:寿宝寺(三山木)
※拝観は予約が必要です。

◇十三重(じゅうさんじゅう)石塔(鎌倉時代)
鎌倉時代の石工「猪末行(いのすえゆき)」と勧進僧「良印」の名が刻まれている貴重な石塔です。
場所:法泉寺(草内)

◇澤井家(さわいけ)住宅(江戸時代)
曇華(どんげ)院所領地の代官を務めた澤井氏の居宅です。平成19年に終えた解体修理では、台風で倒木した天橋立の松が大梁に使用されています。(大住)

◆府指定
◇木造牛頭天王(こずてんのう)立像(りゅうぞう)(平安時代)
頭上に牛の頭部をのせ、激しい怒りに満ちた3面の顔を持つ唐様装束の一木造の像です。
像高:約101cm
場所:朱智神社(天王)
※拝観できません。

◇家形石棺(いえがたせっかん)(古墳時代)
~女性の骨が入ってたよ~
中には、成人女性の骨一体のほか、耳輪、鉄製刀子(とうす)が納められていました。
場所:中央公民館

◆府登録
◇天(てん)神社本殿(江戸時代)
市内でも珍しい二間社流造(にけんしゃながれづくり)の社殿。平成5年に修復や彩色の復元が終わり、当時の鮮やかな色が今によみがえりました。(松井)

◆府暫定
◇木造四天王(してんのう)立像(りゅうぞう)(平安時代)
・増長天(ぞうじょうてん)
・広目天(こうもくてん)像高…約103~115cm
・持国天(じこくてん)
・多聞天(たもんてん)
穏やかな怒りの表情をしています。各像とも彫り直しや補修などが行われていますが、おおむね当時の姿を残しています。
場所:両讃寺(大住)
※拝観できません。

◆市指定
◇シオ1号墳(古墳時代)
~市ホームページにあるバーチャル空間では自由な視点で観察できるよ(本紙の二次元コード参照)~
天王地域の山中にある横穴式石室がある古墳です。木津川右岸から運ばれた石材も使用されています。
※石室内は危険なため入れません。

◇武人(ぶじん)埴輪(はにわ)(古墳時代)
~ポシェットがかわいい人気者~
昭和53年、薪小学校周辺の堀切古墳群から出土。頭にかぶりものを載せ、腰にベルトを巻き、小刀とポシェットのようなものを腰に下げています。京都国立博物館など全国の博物館から貸し出し依頼がある人気の埴輪です。
高さ:約69cm
場所:中央公民館展示室

◇木造薬師如来(やくしにょらい)坐像(ざぞう)(平安時代)
神奈比寺を去ろうとする僧の夢に薬師如来が登場し、思い留まるよう諭すシーンが説話集「今昔物語」で描かれています。
像高:約85cm
場所:甘南備寺(薪)

詳しい場所や拝観時間、拝観料などは、観光協会ホームページをチェック!(本紙の二次元コード参照)

■「史跡」「名勝」「天然記念物」ってなに?
旅先などでよく目にする「史跡」「名勝」などは、文化財保護法で次のとおり位置付けられ、保護されています。
・史跡…古墳や城跡、貝塚などの遺跡のうち、歴史上・学術上価値の高いもの(本市では綴喜古墳群・田辺天神山遺跡・シオ1号古墳など)
・名勝…庭園や橋梁、渓谷や山岳など名勝地のうち、芸術上・鑑賞上価値の高いもの(本市では酬恩庵庭園)
・天然記念物…動物・植物・地質鉱物のうち、学術上価値の高いもの