くらし 旭区人権啓発情報紙 じんけんあさひ 2025冬 No.28(3)

◆風化させないために
“記憶の種”を心に残すことこそ、平和学習をする最も大きな意義

◇旭区の小学校での戦争学習
戦後80年を迎え、旭区の各学校でも戦争についての勉強が行われています。今回は、遺族会の語り部事業を利用された城北小学校の学習についてお伺いしました。

・地域とともに進める平和学習
6月7日は、かつて大阪大空襲で城北公園周辺が大きな被害を受けた日です。城北(しろきた)小学校では、地域の歴史を学びながら、平和の尊さを次世代へ伝えることを目標にした平和学習として、毎年この日には「平和集会」を行っています。今年は、旭区に残る戦争の跡や「平和観音像法要」についても紹介しました。平和観音像や千人塚の存在は知っていても、なぜそこに建てられたのかを知らない児童も多く、学習を通して地域の歴史をより身近に感じる機会となりました。

・親子で考える特別な時間
戦後80年となる今年は、保護者も参加できる平和集会を、土曜授業を活用して企画しました。子どもたちが受け身になるのではなく、みんなで考える平和集会にしたいと考え、学校の資料室に保管されている大阪大空襲、沖縄戦、広島の原爆に関するパネルを活用し、「平和パネル展」を催しました。展示紹介文は6年生が作成しました。映像作品「しんちゃんの三輪車」も鑑賞し、集会の最後には児童と保護者が一緒に平和への願いを込め、折り鶴を折りました。折り上げた鶴は6年生が校外学習で「ピースおおさか」に届けました。

・学年別の取り組み
学年別の取組みとしては、1・2年生は映像や絵本を通じて生命の大切さや平和への思いを育みました。3年生は地域に残る千人塚や機銃掃射跡などの見学を通して戦争の事実について学びました。5年生は映像「ちいちゃんのかげおくり」を観て、戦争の理不尽さや平和の価値を感じました。6年生は下級生に絵本の読み聞かせや折り鶴の指導を行い、千羽鶴を作成しました。修学旅行では広島を訪れ、平和記念公園に献鶴し、平和記念資料館等を見学しました。その後、学んだことをまとめ、全校で報告会も行っています。今回語り部事業を利用したのは4年生です。まずは大阪大空襲をテーマに、NHKアーカイブで勉強、さらに、今回の語り部事業を利用して、実際に戦争の遺族の方の話に触れました。貴重な体験をさせていただいたと思います。

・“記憶の種”を心に残すこと
平和学習で大切なのは、「知る」「考える」「伝える」という三つの段階です。まず、初めに戦争の悲惨さや平和のありがたさを知ること。そして、その学びを通して自分なりに考えること。さらに、学んだことや感じたことを家族や友達、下級生などに伝えていくこと。この「知る・考える・伝える」というサイクルは、小学生で終わるものではありません。大人になってからも、平和について考え続け、行動につなげていく力の土台になります。小学生が戦争を学ぶ意義は、単に「過去にこんな出来事があった」と知識として覚えることではなく、実際に戦争遺跡を訪れたり、語り部や地域の方々からお話を聞いたりする体験を通して、心で感じることが大切です。その体験が、大人になったとき「そういえば、あの時あんな話を聞いた」「あの場所を訪れた」と、もう一度平和について考え直すきっかけになります。平和学習を通して、子どもたちは「当たり前の毎日」が決して当たり前ではないことを実感しています。
この、地域での学びや経験が、子どもたち一人ひとりの「心の記憶」となり、次世代へと平和の種をつないでくれればと考えています。

◆知る。学ぶ
旭区民センターで「私たちと戦争」を考える

◇区民ギャラリー
・「旭区と戦争」展
旭区民ギャラリーで展示します
人権啓発推進員旭区連絡会と旭区遺族会が協力し、区民から寄贈された戦時中の資料の撮影写真で、戦争を振り返る展示を行います。
期間:12月1日(月)~12月7日(日)
場所:旭区民センター1階 旭区民ギャラリー(中宮1-11-14)
主催:人権啓発推進員旭区連絡会・旭区遺族会

◇じんけんシアター
・人権週間記念事業 人権を考える区民のつどい 2025
旭区ふれあいシアター
「アナウンサーたちの戦争」 無料 申込不要
≪戦後80年≫報道は“真実”ではなかった!
今の時代にこそ伝えたいアナウンサーたちの苦悩と葛藤の実話
(日本語字幕付き・上映時間113分)
日時:12月6日(土)14:00~(開場13:30)
場所:旭区民センター 大ホール(中宮1-11-14)
定員:先着400名

◇旭図書館、行ってみて、借りてみて。
・館長の推し本!
『へいわとせんそう』
たにかわしゅんたろう:文 Noritake(のりたけ):絵 ブロンズ新社
白と黒のシンプルなイラストと洗練されたことばで戦争と平和を表現した絵本です。大人も子どもも、戦争を経験している人も経験していない人も、読むと思わず戦争について自分事として考えたくなる、強い力を持つ絵本です。

『ぼんぼん』
今江祥智(いまえよしとも):作 理論社・岩波(いわなみ)書店
舞台は戦時下の大阪、南船場界隈。ノートの紙質が変わり、娯楽がなくなり、食べ物が乏しくなり、街の人の笑顔がなくなり、心がすさんでいき…日々の暮らしに戦争の影がじわりじわりと浸透し、そして昭和20年3月14日の空襲では家も街さえも一瞬にしてなくなってしまう…人の街の変わりゆく様子を、多感な年ごろの少年の目線で描く自伝的小説です。さまざまな人間模様あり、淡い恋心あり、銃後の庶民の日常の、その空気感までリアルに描かれていて、戦争の恐ろしさや理不尽さが際立ちます。

・「大阪空襲と戦時下のくらし」展
ただいま開催中(11/21(金)~12/26(金)(予定))
旭図書館でピースおおさか(大阪国際平和センター)より、戦時下の暮らしの様子が垣間見れる資料をお借りして展示しています。

問合せ:旭図書館(中宮1-11-14)
【電話】06-6955-0307

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問合せ:区役所 地域課(1階1番)
【電話】06-6957-9734