くらし 市長コラム

■貝塚が誇る環境学習
貝塚市は、大都市圏内にありながら、和泉葛城山には天然記念物のブナ林が群生し、水道水については半分を超える量がその和泉葛城山周辺の水源からの恵みによるものです。そうした貴重な自然環境や命の大切さを学ぶため、環境教育を重視しています。
学校教育では、せんごくの杜里山保全ボランティアの方々と連携し里山を訪れて植樹したり、近木川の水を採取しプランクトンなどの微生物を調べたり、大阪府が造成した近木川河口の干潟で生息する生き物を観察したりするなど、身近な自然にふれ、美しいと感じ、大切にしなければ失いかねないという気づきを得る学びに力を入れてきました。
また社会教育では、博物館法に基づく自然生態系の博物館である市立自然遊学館を中心に、地球温暖化やマイクロプラスティック問題などの地球環境問題が、市内に生息する生き物にどのような影響を与えるのか調査し、講座を通して市民が学ぶ機会を提供しています。自然遊学館の講座はいつも大人気で、歴史あるこの講座で多くの子どもたちが学んできました。また、最近では釣り具関連企業のご厚意により、不登校児童生徒の釣り体験を二色南緑地隣接の海岸で実施しました。子どもたちが学校外で自然とふれあい心身をリラックスできることは、釣りがレジャーの域を越えて新しい学びの機会になったものと考えています。
また今年、産・官・学・地域住民が連携して行う、「山・川・海」の水循環と二色の浜の環境保全・再生活動の取組みが、環境省の「令和の里海づくり」事業において、全国で8事業のうちの一つに採択されました。この取組みが先進的であるとして、大阪・関西万博においてもオランダ館での特別展示や環境省主催のギャラリーウエストでの展示で紹介され、注目を集めました。
来年は第45回全国豊かな海づくり大会が大阪で開催されます。「魚庭(なにわ)の海おおさか大会」と名付けられたこのイベントは、水産資源の保護と海や河川の環境保全の大切さについて広く国民の関心を喚起することを目的としており、まさに本市が続けてきた環境教育のめざすものと一致しています。この大会は泉州地域を中心に開催されることから、この機会をとらまえ、本市が行う自然環境を愛で、次の世代に貴重な財産として継承していく取組みを全国に発信し、より広い分野からのご賛同・ご協力を得られるよう努めてまいります。

問合せ先:政策推進課
【電話】072-433-7295