- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府河内長野市
- 広報紙名 : 広報かわちながの 令和8年1月号
市では、市内の私有林を活用した府内初の「森林系J-クレジットの創出」に向けたプロジェクトをスタートさせました。
これは、森林の持つ二酸化炭素吸収機能を活かし、脱炭素社会の実現と同時に、地域資源としての山林を未来へつなぐ、新しい挑戦です。
この取り組みで創出されたJ-クレジットが、地域に資金を呼び込み、森林整備が進むことで、生物多様性の保全・土砂災害の防止・美しい景観の維持・森林文化の継承といった多くの効果が生まれ、市民生活にも豊かさをもたらします。
■管理されない山林が増える中で
本市は市域の約7割が森林ですが、そのうち約7割は「管理や手入れの必要」な人工林です。
一方で、この人工林の多くが現在手入れが十分に行われず、「管理されない森林」となりつつあります。その原因として、林業の担い手不足や国産木材の価格低迷などの背景があり、「山川庁舎=維持費がかかるだけの負債」と捉えられるケースも少なくありません。
本来、森林は市の資源であり、将来への投資でもあります。本プロジェクトは、そうした“山の価値”を、新たな経済価値に変換し、地域に循環させる仕組みの構築を目指します。
■J-クレジットとは
省エネルギー設備の導入や森林管理において、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出削減・吸収量を「クレジット」として国が認証し、売買できる制度です。
このクレジットを売買することで購入企業は脱炭素に貢献できるだけでなく、企業が購入したクレジットに支払われた資金は、森林の整備や管理に再投資され、地域の林業振興や環境保全につながります。
つまり、企業にとっては自社の脱炭素だけでなく、「地域貢献」や「SDGsの実践」としても意味を持つ、社会的価値の高い取り組みです。

・市域の約7割が自然の本市
森林面積は7309ヘクタールでそのうち約7割(5243ヘクタール=甲子園約1300個分)がスギやヒノキなど人の手入れや管理の必要な人工林です。
・山主さんに聞きました
先祖の山を相続し、山の知識がほとんどないなか管理をお願いできて安心です。災害や将来の継承に不安はあるものの、J-クレジットで山の本来の価値が認められ、未来の環境のためにも森林所有者にとっても有益な取り組みだと思います。
■脱炭素と持続可能な森林管理をめざす
◇4者による連携協定を締結
市は、本プロジェクトにおいて連携協定を締結しました。この協定に基づき、J-クレジットの創出・販売支援など持続可能な森林管理の仕組みづくりを担います。
・クリエイション(クレジット創出者)=林業経営体として本市の森林を実際に整備・管理する
・住友林業、NTTドコモビジネス=J-クレジット創出に必要なデータ整理や申請・販売を支援し、森林や林業に関する助言を行う
この協定により、市・林業事業体・企業が一体となって、脱炭素社会の実現と地域活性化の両立をめざします。
◇森を守り、人を育て、未来をつなぐ
・クリエイション(株)
持続的な森林保全、林業後継者の育成、この地域に合った林業システムの構築を通じて、美しい森を次世代に継承し、カーボンニュートラルの実現に寄与したい。
◇森の価値を高め、社会と未来に貢献
・住友林業(株)
脱炭素社会の実現へ、同じ志を持つ3者と連携し森林の価値向上に取り組む。これまで当社が培ってきた森林経営のノウハウを元に、森林・林業の課題解決に向けて最大限サポートしていきたい。
◇デジタルの力で森と循環を支える
・NTTドコモビジネス(株)
J-クレジットの複雑な申請手続きなどのサポートを行う。日本の森林環境や林業に、少しでもお金が循環する仕組みを確立するため、デジタルの力で支えていきたい。
■森林分野におけるJ-クレジットは府内初の取り組み
◇自然資本活用課職員からひとこと
今回、4者による協定を締結し、クレジットの販売・購入については令和8年度のクレジット創出を目指し仕組みを構築中です。
クレジットの購入や地域貢献に関心のある企業の方は、お気軽にご相談ください。本プロジェクトについては、動画でも詳しく説明していますのでぜひご覧ください。
※詳しくは本紙をご覧ください。
Q.クレジットは誰が買うの?
A.脱炭素経営を進めたい企業などが購入します。自社で排出するCO2量を減らす努力をしても、削減しきれない残留分をクレジット購入で補えます。
Q.地域にどんなメリットがあるの?
A.森林整備の費用が確保されると林業が活性化します。健全な森林は災害リスクを減らし、水源や生態系を守るので、地域の安心・安全にもつながるんですよ。
問合せ:自然資本活用課
