くらし [特集]闇バイトは終わりの始まり(1)

闇バイトや特殊詐欺といった犯罪は、毎日のように新聞やテレビなどで報道されています。
「自分はだまされないから関係ない」「身近に起きていない遠い場所の話」など、どこか他人事として考えていませんか。これらの犯罪グループは、今もあなたのすぐそばに罠を仕掛けています。
今月の特集は闇バイト、特殊詐欺について理解を深め、犯罪の罠に掛からないために、私たちが日頃から心がけておくことなどを紹介します。

闇バイトは、特殊詐欺等の犯罪実行者役の募集です。
SNSやインターネットをとおして仕事の詳細を明かさないまま、高額報酬をうたい求人を募集しています。
軽い気持ちで応募をしてしまうと、強制的に犯罪行為に加担させられ、罪に問われることになってしまいます。

特殊詐欺は、被害者に電話をかけるなどして対面することなく信頼させ、指定した預貯金口座への振込みその他の方法により、不特定多数の人から現金等をだまし取る犯罪をいいます。

■過去5年間で被害額は増加傾向

令和6年度における府内の特殊詐欺の被害総額は過去5年間で最悪の結果となっています。

■闇バイトは犯罪です
◆「高額報酬」「即日即金」「ホワイト案件」など、甘い言葉にご用心
SNSやインターネットの掲示板には、仕事の内容がはっきりしないのに、「高額報酬」「即日即金」「ホワイト案件」などと、アルバイトを募っているように見せかけ、特殊詐欺の実行者などを募集する投稿が掲載されています。
「簡単に高収入が手に入る」と軽い気持ちで応募すると、いつの間にか相手のペースに乗せられ、気がつくと特殊詐欺や強盗の実行者になっていた、というケースもあるので、絶対に関わってはいけません。

◆闇バイトの種類
闇バイトは、曖昧な記載で業務内容を誤魔化し、一般的なバイトの求人に紛れ込んでいます。募集内容に「受け子」「出し子」「架け子」等の隠語が使用されていたり、匿名性の高いアプリケーション(シグナルなど)で連絡を求められる場合は犯罪に関わる危険性があります。

◇受け子
被害者から現金やキャッシュカードを受け取る役のこと。

◇出し子
ATMで他人の口座から現金を引き出す役のこと。

◇架け子
被害者に電話を架ける役のこと。「あなたのキャッシュカードが不正に使われています。」「会社の金を横領した。」など、嘘の電話でお金を要求。

◇運び屋
目的も相手もわからない状態でコインロッカーから封筒に入った現金などを運ぶ役のこと。

◇道具屋
他人名義の携帯電話や銀行口座を手配する役のこと。

◆闇バイトに加担してしまうと…
◇やめたくてもやめられない
犯罪グループはメッセージのやり取りのなかで、巧みに個人情報を取得しようとしてきます。家族などの個人情報を知られると「家に行く」「周囲の人に危害を加える」などと脅され、抜け出せません。

◇要求がエスカレート
最初は簡単な仕事でも、次第に強盗など危険な内容に。
一度でも「闇バイト」を引き受けてしまうと、犯罪に加担したことを理由に、断れないよう脅してきます。

◇逮捕・全てを失うことに
都合良く利用されたあと、「捨て駒」として捨てられます。
実名報道されると、名前はインターネット上に残り続けます。多額の賠償金により家族まで不幸に陥れてしまいます。

闇バイトと知らずに応募した場合は、すぐに警察署へ相談しましょう!

◆闇バイトに関わらないために
(1)疑う
怪しいアルバイトがあったらまずは疑うこと。楽をして大金を稼げるアルバイトは存在しません。

(2)調べる
少しでも怪しいと思ったら、いろいろとインターネットで調べてみましょう。
「学校の先輩や友人からの紹介でも、すぐに信用しない!」

(3)相談する
友人や家族など、周りの人に相談しましょう。一人で決めない、悩まないが鉄則です。