子育て 《特集》未来を創るのは今の僕らだっ(2)

■世界のこどもにワクチンを
捨ててしまえばただのゴミだけど みんなで集めれば誰かの命をつなぐことができる
地域の人たちが協力してくれるからこそ 命はつながっていると感じる
世界のこどもにワクチンを

●キャップが結ぶまちの輪
▽『誰かのために』が広げる 学校と地域の絆

令和5年度末から社会厚生委員会では、ペットボトルキャップの回収活動を開始しました。
集めたキャップはリサイクル団体を通じてワクチンの購入資金として寄附され、世界の子どもたちの命を守る力になります。
活動を続ける中で「もっと多くの人に参加してもらいたい」と考えた生徒たちは、自治会連合会で自治会に協力を依頼しました。
生徒たちの呼びかけに多くの方が応えてくれ、地域の公民館などに自分たちの手で作った回収ボックスを置かせてもらえることに。
皆さんの協力のおかげで昨年は約57000個のキャップが集まり、85人分のポリオワクチンに交換されたそうです。
小さなキャップに込められた思いは、地域と生徒の心を結んでくれました。

■僕らの思い
尾北翔太郎:このペットボトルキャップの回収活動は、僕たちが1年生の時に聞いたSDGsの授業がきっかけで始まりました。

井上凛太郎:最初は校内に回収ボックスを置いていたけど、町民が1人1つずつキャップを持ってきてくれたら、大体63人分のワクチンが作れるなって話になって、自治会に協力依頼をすることになったんやったと思う。

尾北:そうそう。大人って怖そうってイメージがあって、自治会の人の前で話すのは緊張したけど「集まったで」って回収箱を届けてくれたり、箱を取りに行った時にお菓子をくれたりして応援してくれたのが嬉しかった!

井上:受験きっかけの委員会活動やったけど、すごく良い経験になったし、取り組んで良かったなって思います。

■担当先生の思い
首席 和田美奈先生
教師という仕事は「大変そう」と言われることもありますが、全くそんなことはありません。生徒たちは本当にかわいくて、どんな瞬間も成長の輝きに溢れ、エネルギーに満ちあふれています。
子どもはみんな天才で、周りの大人たちが信じて応援すればもっと伸びていく存在です。だからこそ、学校・家庭・地域が一つになり、熊取町の子どもたちを支える環境をつくっていきたいと思っています。
地域で子どもたちの力が必要な時は、ぜひ学校に声をかけてください。
きっと、皆さんの想いに応えようとするはずです。
元気いっぱいの熊取っ子たちが、今後の未来を照らす存在になると信じています。

■林 栄津子校長
「学び続ける生徒 ~つながりを大切にした教育活動を通して、心の中に平和の砦を築く~」という学校目標のもと、授業での学び合い、学校内での縦割り活動、町内大学や地域と連携した取り組みなどさまざまな活動を行っています。
授業の中で「わからないから教えて」と言える仲間とのつながり、体験や出会いを通した地域や社会とのつながりなど人とつながるあったかさや心地よさを感じることで、自他を大切にする心や違いを尊重する態度を身につけてほしいと考えています。
そのような中学校での経験はこれからの生き方にいかされていき、誰もが幸せに暮らせる熊取町を、日本を、そして世界をつくる一員になってくれると信じています。
今後も生徒たちの無限の可能性を信じ、教育活動を進めてまいりますので、応援よろしくお願いします。

Let’s start together!
■熊中と一緒にできることから
熊取中学校の生徒たちは『つながりを大切にする』という想いを胸に、自分たちの力で行動してきました。
今回ご紹介したもの以外にも、熊取中学校ではさまざまな取り組みを行っており、そのひとつひとつに「誰かの笑顔を守りたい」という優しい願いが込められています。
学校の中から広がった思いやりの輪は、地域の皆さんの力も加わって、今も世界のどこかで誰かの力になっています。
この活動は、モノを集めることが目的ではありません。
人と人、心と心を結ぶつながりそのものが生徒たちにとってかけがえのない学びとなったことでしょう。
今後も熊取中学校の生徒たちは新たな挑戦をしていきます。
皆さんも彼らと一緒に小さな一歩を踏み出してみませんか?