- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県尼崎市
- 広報紙名 : 市報あまがさき 令和7年(2025年)10月号
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■尼崎薪能(たきぎのう)
皆さんは薪能を見たことがありますか?野外でかがり火をたきながら行われる能楽・薪能は本市で毎年行われており、誰でも無料で楽しむことができます。今月は、本市と薪能との深いつながりを紹介します。
■伝統が息づくまち 長年親しまれる薪能
現在の大物川緑地はかつて大物浦と呼ばれた入り江で、源頼朝に追われた源義経が静御前に別れを告げて船出した場所とされており、これを描いた能楽「船弁慶」ゆかりの地です。このことから、昭和55(1980)年に尼崎・尼崎北・尼崎東ロータリークラブが大物川緑地に野外能舞台を建設し、「大物浦薪能」を開催しました。その後、同舞台を本市が譲り受けて「尼崎薪能」を開催するようになり、現在まで長年親しまれています。
尼崎薪能は例年、同舞台で開催していますが、平成31(2019)年の尼崎城復活をきっかけに、尼崎城址(じょうし)公園に特別に作る野外能舞台でも開催しました。
■子どもたちの真剣な舞 学びの成果を披露
尼崎薪能の幕開けを飾るのは、尼崎こども能楽教室の皆さん。子どもたちの先生である観世流シテ方能楽師・山村啓雄さんは、長年の活動の中で指導者としても伝統芸能の普及に努めてきました。同教室では小学3〜6年生に稽古を通じて能楽の魅力を伝えているほか、芸能の心得や礼儀作法も指導しています。子どもたちは「毎日毎日練習して上手になるのが楽しい」「細かいところまで教えてくれて、できたら褒めてもらえるのでうれしい」と日々の稽古に励んでいます。尼崎薪能では、これまでの稽古の成果として仕舞を披露します。仕舞とは、印象的な場面を抜き出し、装束や面を着けずに舞うものです。能の魅力を凝縮した短い演目で、初めて見る人にも分かりやすいのでおすすめです。当日は一生懸命な子どもたちの姿に感動することでしょう。
■今年は10月6日 中秋の名月とともに
今年で46回目を迎える尼崎薪能は、10月6日(月)午後5時30分〜8時30分(雨天中止)、尼崎城野外能舞台(尼崎城址公園内)で開催します(ID:1005946)。今年の演目「土蜘蛛(つちぐも)」は、鬼退治で有名な源頼光の元に現れた蜘蛛の化け物と家臣団との戦いを表現し、白い蜘蛛の糸が宙に舞う華やかでエンターテインメント性が高い演目です。当日は中秋の名月に当たり、美しい月の明かりに照らされた能の舞いは、きっと皆さんを幽玄のひと夜へと誘うことでしょう。ぜひ、秋の夜長を彩る薪能の世界を体感しに来てください。
■あまらぶクイズ
野外で開催される薪能の演出の特徴はどれでしょう?
(1)お香をたく
(2)かがり火をたく
(3)お米をたく
答え:(2)かがり火をたく
