くらし クローズアップ豊岡(1)ー市政の動き 6月定例会報告 市長総括説明から(1)ー

5月30日、令和7年第4回豊岡市議会定例会が開会しました。
開会にあたり市長が総括説明を行い、当面する市政の諸課題および提出議案などについて説明しました。その中から主な内容をお知らせします。
なお、市長総括説明の全文は、市ホームページをご覧ください。

■安全に安心して暮らせるまち
◇#7119救急安心センター事業
高齢化の進行等により救急需要が増加する中、救急車の適正利用と救急医療機関の適切な受診を促進することを目的として、兵庫県が主体となり「#7119(シャープナナイチイチキュウ) 救急安心センター事業」が本年7月から実施されます。
本事業は、急なケガや病気で救急車を呼ぶべきか、すぐに病院へ行くべきか判断に迷う場合に、24時間365日、電話相談を通じて医師や看護師等の専門家からアドバイスを受けることができます。これにより、緊急性の有無の判断、応急手当の方法、適切な医療機関の案内が行われます。

■持続可能な「力」を高めるまち
◇旧殿食材供給施設のプロポーザル実施
旧殿(との)食材供給施設(通称…殿さんそば)は、昨年12月議会で条例廃止の議決をいただいた後、本年1月にサウンディング調査を実施しました。参加者はありませんでしたが、その後、複数の事業者から、問合せをいただいています。
施設は本年3月31日をもって指定管理期間が終了しましたが、問合せ内容を踏まえ、今後のあり方について条件を整理しているところです。
今後、民間事業者による事業運営を模索し、本年7月から9月にかけてプロポーザルを実施したいと考えています。

◇たんたんキャンプ場and温泉リバイタル(再活性化)プロジェクト
地域住民が設立した法人が、たんたん温泉の利用者増加と地域活性化を図りたいとして、国の「地域経済循環創造事業交付金(ローカル10,000)」を活用し「たんたん温泉福寿の湯」に隣接する耕作放棄地にキャンプ場の整備を計画されました。
この計画は、温泉とキャンプ場の相乗効果を生み、地域の新たなにぎわいや交流人口の創出などを図るもので、たんたん温泉の利用者増加にも寄与することが期待できます。

◇有害鳥獣対策
昨年度のシカの捕獲頭数は、5,287頭となり、年間の捕獲目標6,500頭を下回る結果となりました。その要因としては、10年以上継続して取り組んできた捕獲圧の強化によって、市内のシカの生息数が減少傾向にあることに加え、冬期の大雪によって狩猟機会が大幅に減少したことにあると推測しています。
また、近年では「城崎A群」と呼ばれるサルの群れによる農作物等の被害が深刻になっています。このため、市では、2022年度から専任の集落支援員を配置して、サルの群れの定期的な行動巡視等を実施しているほか、県に対してもサル被害の深刻な現状を報告し、群れ全体の頭数削減など一段階進んだ対策を進めています。
引き続き、シカやサルをはじめとした有害鳥獣の捕獲を進め、農業被害等の減少に努めていきます。

◇プレミアム付商品券事業の進捗
エネルギーや食料品価格の物価高騰により、厳しい状況にある市内経済および市民の家計を支援するため、1セット1万円で1万2千円分の買い物ができる「プレミアム付商品券」12万セット合計12億円分を、4月7日から郵便局で販売しており、取扱店舗で利用いただいているところです。
5月15日現在の商品券の販売額は6億6,148万円約55パーセントです。また、取扱店舗での使用額は3億5,624万4千円となっています。また、取扱店舗数は684店に達し、スーパーや飲食店、旅館等の宿泊施設をはじめ、衣料品店、理美容院など、多くの店で利用いただける状況です。
商品券の販売期間は8月29日まで、利用期間は9月30日までとなっています。

◇豊岡のってECO(いこう)
市制20周年を契機に、路線バスの利用を通して、多くの方々に市内各地域の素晴らしさや魅力を再発見し「このまちに住んでよかった」とあらためて実感していただける機会の創出などを目的に「豊岡のってECO(いこう)」を実施します。
実施期間は7月から11月までの5カ月間とし、その間の第2水曜日および全ての金曜日、8月の土・日・祝日およびお盆休み期間、さらには市制20周年記念式典が行われる11月16日の合計41日間を予定しています。期間中、中学生以上は1枚500円、小学生は1枚250円でフリーチケットを購入でき、適用日当日に限り、市内の路線バスとコミュニティバスを何度でも乗り降り自由にご利用いただけます。
観光客の方も含め、1人でも多くの皆さんに利用いただくことを期待しています。

◇竹野地域の予約型乗合交通
利用者の減少や運転手の不足等により、地域の移動手段の確保が困難になったことなどから、昨年度より検討を進めてきた「竹野地域予約型乗合交通」の概要をまとめました。
市営バス「イナカー竹野海岸線」を廃止するとともに、現在の路線バス「竹野線」を豊岡病院から森本間に短縮し、竹野地域全域で事業者協力型自家用有償旅客運送を実施します。主な内容は、竹野地域内に設定した二つのエリア内の移動を定額運賃とすることや、新たに豊岡市街地ヘの乗り入れを可能とすることなどです。

◇地域おこし協力隊
本市では、2014年度から地域おこし協力隊制度を導入し、累計110人の隊員を採用してきました。現在も26人の隊員が、地域活性化等の活動に取り組んでいます。
また、直近5年間に任期を終えた60人の隊員のうち、40人が起業等により市内に定住しており、定住率は全国平均55.7パーセントに対し、66.7パーセントと高い水準を維持しています。
今後も、さらなる定着率の向上、活動に関する相談対応など課題を整理しつつ、定着に向けた起業支援など、隊員へのサポート体制を一層強化していきます。