健康 市立病院だより~患者さんに寄り添い、地域から信頼される病院になります~

■学校や園からもらった「検診異常のお知らせ」そのままになっていませんか
小児科 主任医長 落合 智美
愛媛大学卒業後、済生会吹田病院で初期研修。その後大阪医科薬科大学病院、兵庫医科大学病院で小児内分泌の臨床、研究に従事。学位を取得し医学博士となる。1型糖尿病の患者会など、患者会活動にも積極的に取り組んでいる。2024年4月から当院に赴任。小児科学会専門医、糖尿病学会専門医。

子どもの健診・検診には、乳児健診、学校や園での内科検診、検尿、成長のチェックなどさまざまなものがあります。「健診」は健康状態を調べるために、「検診」は特定の病気を調べるために行います。いずれも、体の不調はないか、日常生活に支障がないかなどを調べ、病気の早期発見・治療につなげるためにとても大切です。何らかの異常を指摘された場合、一見大きな問題ではないように見えても、病気が隠れている可能性があります。
今号では、子どもの検診異常でのよくある質問を例に、症状の裏に隠れた病気について解説します。

例1.学校から、肥満なので医療機関を受診するように言われた。指摘されてから食事量を減らしている。自宅で気を付けていれば受診の必要はないか?

肥満の原因は食べ過ぎや運動不足であることが多いですが、中にはホルモンの異常や遺伝性の疾患など、他に原因が隠れている事もあります。その場合、隠れている病気を早期に見つけ出し、治療をすることが大切です。また、食べ過ぎや運動不足が原因で生活習慣病の予備軍になっている事もあり、適切な栄養指導が必要になります。極端なダイエットは子どもの成長を妨げることもあるので、必ず受診してください。

例2.学校から急激に身長が伸びているので医療機関を受診するように言われた。元々小さめだったので喜んでいたが、受診の必要はあるか?

身長の急激な伸びや、伸び率の低下は思春期早発症や低身長を起こす病気が隠れている可能性があります。思春期早発症は、他の子より早期に身長増加の波が来るため一時的に身長がよく伸びているように見えることがあります。しかし、身長の伸びが早くに止まってしまい、本来より最終身長が小さく終わることがあります。正確に診断し速やかに治療を開始することで最終身長を確保できる場合があるので、必ず受診してください。

お子さんが「検診異常のお知らせ」をもらってきたら、自己判断で放置せずに、必ずかかりつけ医を受診することが大切です。当院を受診するには、原則かかりつけ医からの紹介状が必要になります。受診の際に分からないことがあればスタッフにお尋ねください。当院では保護者と一緒にお子さんの健やかな成長を見守っていきます。

■エフエム宝塚(83.5MHz)「市立病院の得した気分!」
日時:5月21日(水)10時半~11時
(再)5月23日(金)19時半~20時

■市民公開講座 最近の眼科医療(特に加齢に伴う疾患)
日時:5月24日(土)14時~15時半
場所:ソリオホール(申し込み不要、直接会場へ)
手話通訳・要約筆記:あり
内容:
・「白内障・緑内障」講師は眼科主任部長 笹岡幸生(ゆきお)
・「糖尿病網膜症・加齢黄斑変性」講師は兵庫医科大学病院 眼科講師 佐藤孝樹(たかき)

問合せ:経営統括部
【電話】87・1161【FAX】87・5624

■がんサロン「セキレイ」(対面式とZoomの同時開催)
がん患者同士の不安や悩み、体験を話す交流の場です。
日時:5月21日(水)15時~15時45分
場所:がん診療支援センター(現地参加は予約不要。開始10分前までに直接会場へ)
対象者:がん治療中の人とその家族(当院を受診していない人でも参加可能)

問合せ:同センター
【電話】87・1161