- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県川西市
- 広報紙名 : 広報かわにし milife 令和7年12月号
■病と偏見について
◇病を負う私が痛感した「体のしんどさ」を超えた苦労
自分が病とともに生きるようになって、症状に伴う体のしんどさ以上に、周囲との関係の中で生じる苦労の重さを痛感しています。その中で大きなものが病にまつわる偏見、そしてそこから生まれる差別です。
例えば細菌感染によって起こるハンセン病は、感染力が弱く、1940年代には治療法が確立されていました。感染拡大を防ぐために各地の療養所に隔離されていた患者さんたちも病気は治癒しています。本来は病気が治れば元の生活に戻れるはずです。しかし、その後も国の政策として医学的な根拠のない隔離は、1996年にその根拠法の「らい予防法」が廃止されるまで続きました。そのため、病気がうつる、遺伝するなどの誤解に基づく偏見によって、ふるさとにも帰れず、家族にすら会えないまま療養所で生涯を終えた人がたくさんいます。
病はかかるかどうかを誰にも選べない残酷なものです。私は発症したとき「これは何か悪いことをした罰なのかな」と落ち込みました。今思えばそう思ってしまうこと自体が、どこかで「病」を悪いもの・避けて通るものとみなす社会の価値観を反映した悩みだったと思います。人間は病を恐れるあまり何かしら理由をつけて避けようとする、そういう無意識の防衛機制を備えているのでしょう。しかし、そのぼんやりとした感覚をうのみにして、あやふやな知識や根拠のないうわさで患者側が排除され、病そのものからくる苦労以上に苦しめられることは避けなければと強く思います。
NPO法人大阪難病連事務局長 尾下葉子
問合せ:人権推進多文化共生課
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