健康 〔特集〕生活習慣病ってなんだろう?(2)

■健康な毎日を送るために口のケアと生活習慣の見直しを
実は、生活習慣病には口の健康が大きく関わっていることを知っていますか。口の健康と生活習慣病の関係や、日頃の食生活から予防することの大切さについて市歯科医師会に話を聞きました。

◇口の健康から生活習慣病を防ぐ
(一社)市歯科医師会 副会長 今西要さん

口の健康と生活習慣病は密接な関連があります。特に歯周病は、糖尿病や心血管疾患、肥満などの生活習慣病のリスクを高め、逆にこれらの病気が歯周病を悪化させる可能性も指摘されています。
生活習慣病を予防するためには、子どもの頃からバランスの取れた食生活を送ることが重要であり、そのためには健康な歯が不可欠です。自分の歯でしっかりと噛(か)むことは、食生活を豊かにし、健康の維持・増進につながります。
また、日本では、80歳になっても自分の歯を20本以上保つことを目標とする「8020運動」が提唱されています。
年齢を重ねると歯が抜けるのは自然なことと思われがちですが、適切な予防と治療を行えば、生涯にわたって自分の歯を保つことが可能です。
むし歯や歯周病は、初期段階では自覚症状が少ないです。まずは、定期的な歯科健診を受け、早期発見に努め予防することが何よりも大切です。

問い合わせ:予防歯科センター
【電話】072-759-3171

■INTERVIEW
◇生活習慣病の相談を薬剤師に
かかりつけ薬局を活用して健康をサポート
(一社)市薬剤師会 会長 樋口淳一さん

薬局と聞くと病院で処方された薬の飲み合わせや副作用について、薬剤師が説明するイメージを持っている人が多いと思います。
かかりつけ薬局は、病気にかかっていない健康な人が薬や生活習慣病をはじめとする健康について薬剤師に相談ができる、身近な場所です。
また、複数の医療機関に通うと、薬の情報が分散して把握しにくいといったこともありますが、かかりつけ薬局を持つことで、全ての薬の情報を一元的に管理し、重複や飲み合わせのリスクを減らすことができます。薬剤師が処方内容を確認し、必要に応じて医師へ提案を行うこともあります。
かかりつけ薬局を持つことは、皆さんの健康管理をサポートする上で重要な役割を果たします。
自分に合ったかかりつけ薬局を見つけて、薬剤師との良好な関係を築いていきましょう。

■取り組み
市では生活習慣病を予防するための教室や早期発見・早期治療をするための健(検)診などを実施しています。この機会に、健康について考えましょう。

◆診る
◇がん検診
市独自で5大がん検診(胃がん・肺がん・大腸がん・子宮頸(けい)がん・乳がん)を無料で実施しています。指定の病(医)院で、令和8年2月末(胃がん検診・乳がん検診・健康診査は3月末)まで、保健センターでは3月末まで受診できます。希望する病(医)院に予約の上、受診してください。対象など詳しくは、本紙19ページの健康カレンダーや市ホームページで確認してください。

問い合わせ:保健センター
【電話】072-758-4721

◇出張特定健診・がん検診
市国民健康保険加入者を対象に、出張特定健診とがん検診を実施します。詳しくは本紙13ページへ。

問い合わせ:国民健康保険課
【電話】072-740-2006

◆予防する
◇成人歯科健診
20~70歳の5歳ごとを対象に歯科健診と歯周病の簡易検査を実施。対象者には5月に受診券を送付済みです。

◇オーラルフレイル予防教室
50歳以上の市民を対象に、口の機能の衰えを口腔乾燥度や舌の力など測定、問診、健診を行います。詳しくは市ホームページへ。

問い合わせ:予防歯科センター
【電話】072-759-3171

◆知る
◇生活習慣病予防教室
管理栄養士と歯科衛生士が、食生活の改善や歯周病と全身の関係、口の健康づくりなどについて話します。4テーマを年4回・計16回開催。6月の開催について詳しくは本紙18ページへ。

問い合わせ:保健センター
【電話】072-758-4721

◆相談する
◇健康相談会
保健センターで健康診査を受診した人などが対象。健診結果をもとに、保健師や管理栄養士などが改善に向けたアドバイスを行います。毎月3回開催。

問い合わせ:保健センター
【電話】072-758-4721

◆運動する
◇健康運動体験教室
運動専門員や管理栄養士が健康的な運動習慣の定着や食生活の改善に向けた運動実技や講話を2テーマを毎月交代で開催。6月の開催内容について詳しくは本紙18ページへ。

問い合わせ:保健センター
【電話】072-758-4721

■市長メッセージ
◇幸せな時間を増やすための処方箋(せん)
市長 越田謙治郎

近年「人生100年時代」という言葉を耳にする機会が増えましたが、それは決して遠い未来の話ではありません。すでに現実となっています。
長生きすることが当たり前となった現代において重要なのは、単に寿命を延ばすことではなく、健康な時間をいかに長く維持できるかです。健康でいる時間が増えることは、幸せな時間が増えることにつながると思います。
医療体制を整え、誰もが適切な治療を受けられるようにすることは、行政の重要な責務です。
市では、市立総合医療センターや地域の医療機関などと連携し、医療体制の充実に取り組んでいきます。
しかし、健康寿命を長くすることは行政だけの取り組みでは実現できません。皆さんの意識改革が不可欠です。
重要なのは、特別な取り組みを行うことではなく、日常生活の中で健康を意識することです。
生活習慣の改善や定期的な健康診断の受診、そして適度な運動を心掛けることが大切です。また、栄養バランスの取れた食事や質の高い睡眠を確保することも、健康維持には欠かせません。さらに、ストレスをうまく管理し、精神的な健康を維持することも重要です。
市としても健康づくりを多方面から応援することで、市民の幸せな時間を増やしていきたいと考えています。

問い合わせ:保健センター
【電話】072-758-4721